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優勝に王手かける一撃、浦和MF関根「自分がヒーローになる!!」

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[11.3 J1第31節 横浜FM0-1浦和 日産ス]

 優勝に王手をかける一撃となった。スコアレスで迎えた後半31分、MF平川忠亮に代わってピッチに送り出された浦和レッズのMF関根貴大は、第26節以来となる途中出場に「久し振りなので結構緊張しました」と答えつつも、「(ペトロヴィッチ)監督から『仕掛けて来い』と言われていたし、積極的に行けば何か起こる状況だと思っていました」と自らの良さを出そうとしていた。

 出場からわずか3分後の後半34分、いきなり大仕事をやってのける。右サイドでボールを受けた関根は中央へとボールを運び、「仕掛けたときに阿部さんが空いていたので、横パスを丁寧に出しました」と語ったように、MF阿部勇樹へのパスを選択する。フリーの阿部が思い切り良く放ったミドルシュートはGK榎本哲也にセーブされるが、そのこぼれ球に走り込んだのが関根だった。

「こぼれ球を狙っていましたが、体勢は難しかった。ただ、自分が思ったよりも体がうまく反応してくれました」。足下へと転がってくるボールをダイレクトで合わせると、シュートは豪快にゴールネットに突き刺さり、貴重な先制点をもたらした。「シュートを打ったときはあまり覚えていませんが、気付いたら入っていたので、本当に良かったです」とゴールシーンを振り返っている。

 J初得点を挙げた5月17日、第14節C大阪戦ではゴール直後にサポーターの下へ向かおうとしながらも、「どうしていいのか分からなくて、チームメイトの方に戻ってしまいました」と答えていたが、この日は違う。ゴールを決めた関根はすぐさまサポーターの下へと駆け付けて、多くのサポーターと喜びを分かち合った。

「セレッソ戦では中途半端なところで止まってしまいましたが、今日はサポーターのところまで行けたので、そこは成長したのかなと思います」と笑って答えると、「『自分がヒーローになる』じゃないですけど、そういう意識もありました。優勝するチームには、途中から入って点を決められる選手も大事だと思うので、いつでも行けるように準備しておきたい」と19歳のヒーローは力強く語った。

(取材・文 折戸岳彦)
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