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[MOM1195]鵬翔FW北村知也(3年)_別格のプレーも、残った課題

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.3 全国高校選手権宮崎県予選準々決勝 鵬翔高 6-0 佐土原高 宮崎県総合サッカー場]

「点が取れないね」と鵬翔高の松崎博美はFW北村知也主将(3年)のプレーに対して、納得していなかった。

 試合序盤から決定機は数多くあった。前半17分に左SB高重龍海(3年)のクロスに頭で反応するもフリーの状態で枠を外し、31分には中央を突破してGKと1対1になるが、これも枠に飛ばない。33分にはゴール前でボールを受けるが、これも右へと外れてしまう。ボールを呼び込む動きや切れ味鋭いドリブル突破の精度は質の高さを感じさせたが、最後の局面で決定力を欠いて前半は得点を奪うことが出来なかった。

 後半に入っても、決定機を決め切れない状況が続く。後半17分にはドリブルでPA内へと侵入するとGK岩切真人(2年)に倒されPKを獲得。自らキッカーを務めたが、真ん中に放たれたボールはGKにキャッチされてしまい、この日一番のチャンスも決めることが出来なかった。

 北村にゴールが生まれたのはその直後の20分だった。中央でのドリブル突破から左足でネットを揺らし、ようやくこの日の初得点。GKの頭上を抜く鮮やかなループシュートを決めた25分のゴール直後にお役御免となったが、別格のプレー、そして2ゴール1アシストという結果以上に決め切れなかった印象が残る試合になってしまった。
 
 2年前の選手権で1年生ながら背番号10を背負い、チームの全国制覇に大きく貢献したが、昨年は総体、選手権ともに県予選準決勝で敗退。迎えた最終学年は鵬翔のエースナンバーである13番と主将という重責を担うこととなった。「ものは持っている。ただ、主将としての責任が重くなっている。上手くいく時もあるけど、空回りをすることも多い」と松崎監督が語るように、そのプレッシャーが足かせになることも多い。特にこの日の試合はその部分を象徴するような出来だった。総体予選時に「支えてくれる人がいるので、全力で応えないといけない」と語っていた北村には想像以上の重圧がのしかかっているのかもしれない。

 1年生の選手権で歓喜の瞬間を味わい、2年生の時は悔しい思いを経験した。そして、今年は総体に出場するも広島皆実高に競り負けて初戦敗退。残す大会はこの選手権だけとなった。去年と今夏の悔しさを晴らすべく、北村は最後の選手権へと挑戦をする。「終わりよければ全てよし」この言葉通りに、重圧を乗り越えて有終の美を飾ることができるか。準決勝以降の背番号13のプレーから目が離せない。

(取材・文 松尾祐希)
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