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3冠目指すG大阪がまず1冠! 逆転で広島を破り7年ぶり2度目のナビスコ杯制覇

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[11.8 ナビスコ杯決勝 広島2-3G大阪 埼玉]

 ナビスコ杯は8日、埼玉スタジアム2002で決勝戦を行い、サンフレッチェ広島ガンバ大阪が対戦した。今季4度目の対戦となった両チーム。これまでは2勝1分とG大阪が優勢だったが、一発勝負の決勝戦ではFW佐藤寿人の2ゴールで広島がリードする。しかし、G大阪もFWパトリックの2ゴールで追いつくと、途中出場のMF大森晃太郎が逆転ゴールを決める。このまま3-2で試合は終了し、G大阪が07年大会以来2度目のナビスコ杯優勝に輝いた。

 広島は3-4-2-1の布陣。最終ラインではDF水本裕貴が今大会初出場。中盤の底にはMF青山敏弘とMF柴崎晃誠が並び、右SHにMF柏好文、左SHにMF山岸智、2シャドーはMF石原直樹とMF高萩洋次郎、1トップに佐藤が入った。一方のG大阪は天皇杯の広島戦(3-1)と同じ4-3-1-2の布陣。中盤の底にMF明神智和が入り、トップ下にMF遠藤保仁が入っている。その試合で2ゴールを挙げたFW佐藤晃大をベンチスタートにし、今大会のニューヒーロー賞に輝いたFW宇佐美貴史がFWパトリックと2トップを組んでいる。
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 序盤にシュートチャンスをつくったのは、広島だった。前半3分、佐藤がドリブルでボールを運び、PA内に侵入する。DFに囲まれて、つぶされたこぼれ球を石原がシュートしたが、左に外れて行った。10分あたりからはG大阪もボールを保持するが、帰陣の早い広島をなかなか崩せない。

 前半19分には、再び広島がG大阪陣内にボールを運び、高萩の縦パスを石原がトラップ。浮いたボールがDF岩下敬輔の手に当たったと判定され、広島にPKが与えられる。これを佐藤が決めて、ナビスコ杯通算27得点目を挙げて歴代得点ランキングの単独首位に立ち、チームに先制点をもたらした。

 広島の堅守に苦しむG大阪も、27分にMF阿部浩之が遠藤とのワンツーからチャンスを得たが、シュートはミートしきれずに、GK林卓人に抑えられた。同33分にも宇佐美とパトリックの2トップのパス交換に阿部が絡んでシュートしたが、DFにブロックされたボールはわずかに枠を逸れた。

 決定機を生かせなかったG大阪に対し、広島が追い打ちをかける。左サイドからゴール前に入ったボールを岩下がクリアーミス。これを拾った石原のシュートは、岩下にブロックされて右ポストを叩いたが、こぼれ球を佐藤がゴールに押し込み、リードを2点に広げた。

 前半のうちに点差を詰めておきたいG大阪は38分、遠藤が左サイドからクロスを入れるとパトリックがヘッドで合わせてゴールに突き刺し、1点差に詰め寄った。前半はエースが2ゴールを挙げた広島が1点をリードして折り返した。

 1点を追うG大阪は後半開始から明神をベンチに下げ、MF大森晃太郎を起用する。後半5分には決定機をつくりパトリックがシュートを放ったが、GK林に阻まれる。その1分後にも阿部がゴールを狙ったが、再び林に防がれた。

 攻め続けるG大阪は、後半10分に流動的に動いていた宇佐美が左サイドからクロスを入れる。ゴール前に阿部がDFを引き連れて飛び込むと、その裏でフリーになったパトリックが再びヘッドでゴールを決めて、2-2の同点に追い付いた。

 その後もG大阪はボールを保持し、宇佐美のドリブルや遠藤のミドルシュートで広島ゴールに迫る。後半22分には大森が左サイドでDFを引き付け、オーバーラップした宇佐美にパス。カットインした宇佐美の早いボールをパトリックが合わせたが、ゴール前から放ったシュートはクロスバーを越えて行った。それでも同26分、ついに逆転ゴールを挙げる。広島の山岸が負傷している中で、パトリックのキープから阿部がシュートを放つ。これはGK林に弾かれるが、大森がボールをヘッドでゴールに流し込み、この試合初めてリードを奪った。

 リードされた広島は、直後に山岸を下げてMF清水航平を投入。後半22分にも佐藤をベンチに下げて、MF森崎浩二を投入。後半38分には森崎浩の折り返しを石原が落として、柴崎がゴールを狙うも枠を捉えられず。この直後に広島は最後の交代枠で柴崎を下げて、FW皆川佑介をピッチに送り出した。G大阪は後半40分に宇佐美を下げて、FWリンスを投入する。

 アディショナルタイムに阿部を下げ、MF倉田秋を投入するなど、その後も時間をうまく進めたG大阪が、リードを守り切って試合終了。リーグ戦、天皇杯でも優勝の可能性を残している青黒軍団が、まず1冠を獲得した。
(取材・文 河合拓)
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