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2ゴールで決勝MVPのG大阪 FWパトリック「ずっと記憶に残る」

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[11.8 ナビスコ杯決勝 広島2-3G大阪 埼玉]

 ガンバ大阪が強いときには、優秀なブラジル人ストライカーがいる。2005年のリーグ制覇の原動力となったFWアラウージョを筆頭に、マグノ・アウベス、バレー、ルーカスと、タイトルを勝ち取って来たチームには、優秀なブラジル人FWがいた。そのリストに、新たな名前が刻まれるかもしれない。

 7月1日に期限付き移籍でG大阪に加入したFWパトリックは、8日のナビスコ杯決勝で2ゴールを挙げて、逆転勝利に大きく貢献した。前半38分にはMF遠藤保仁からのクロスを豪快なヘッドでゴールに叩きこむと、後半9分にもMF阿部浩之のつくったスペースを突いて、2トップを組むFW宇佐美貴史からの折り返しをゴールに決めた。

 パトリックの2ゴールで追いついたG大阪は、後半から出場したMF大森晃太郎のゴールで3-2と逆転し、7年ぶり2度目の優勝を成し遂げた。

「僕はG大阪に加入して間もないのですが、『タイトルをもたらしたい』と思っていた中で、優勝できて、これからずっと記憶の中に残ると思います」と喜ぶパトリック。逆転できた要因について宇佐美は「1点目に尽きる」と、精神面でチームにもたらした影響が甚大だったと話したが、パトリックも「まず1点取らないといけないと思っていたし、すごく大事なゴールでした。遠藤選手から良いボールが来たので、僕は合わせただけです」と、謙虚に振り返った。

 2得点という結果に目がいきがちだが、長谷川健太監督が、「宇佐美とパトは、普段からあれくらい守備をしてくれたら、ラクなのですが、決勝戦だからあれくらいやったのか。11月22日のレッズ戦はどうなのかというところが、今から悩みの種です」と、冗談を交えて話したように、この日は献身性も光った。パトリック自身は、決勝戦だったことが理由ではなく、「味方と試合をこなすことで、呼吸が合ってきた」と否定したが、この日のようにボールのない所でも高いパフォーマンスを見せ続けることができれば、チームの主軸に定着するだろう。

「ピッチ内外でチームに早くフィットできましたし、日本が大好きです。極力、日本で長くプレーしたい。できれば、G大阪でプレーしていきたい。これまでも素晴らしいブラジル人ストライカーが在籍していたことは知っています。その中に、僕の名前も残したいと思いますが、まずはチームにタイトルを残したいという気持ちが強いです」。

 次は22日にリーグ戦で、首位を走る浦和との対戦が待ち受ける。逆転優勝に向けて、勝利が必要となる一戦へ向けて「決戦ですよね。絶対に負けられない。負けたら相手がタイトルをつかんでしまいます。彼らがタイトルに近いですが、チャレンジャーとして挑んでいきたい。残り試合は少ないですが、何が起こるか分からないので、信じてやっていきたい」と、パトリックは意気込みを語った。

(取材・文 河合拓)
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