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川島、クラブでの苦境も「納得して受け入れている」

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 GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)が合宿2日目となった11日の練習から日本代表に合流した。所属クラブでは約1か月間、出場機会がなく、厳しい逆境に立たされているが、決してネガティブにはなっていない。

 開幕から11試合連続でフル出場を続けてきた川島だが、10月19日のズルテ・ワレヘム戦で自身のミスもあり、最下位相手に1-2で敗れると、事態が大きく変わった。クラブはガイ・ルゾン前監督を解任。イバン・ブコマノビッチコーチが暫定監督に昇格した(今月5日に今季終了までの正式契約を締結)。

 すると直後のELセビージャ戦で川島はベンチ外となり、その後も公式戦5試合連続でベンチを温めている。しかも川島が控えに回ってから、チームはリーグ戦4試合連続の無失点で4連勝中。厳しい立場に追い込まれている。

 しかし、この日の練習後に報道陣の取材に応じた川島は冷静だった。「試合に出ていない状況に関しては、今の監督ともしゃべっている。もともとコーチだった分、素直に話せているし、話した内容をここで言う必要はないけど、今の状況を納得して受け入れている」と、胸の内を明かした。

「いろいろあった中で、自分の頭の中を整理するうえでこの時間は大切だし、一回引いて、自分がヨーロッパの中でもっと上に行くためにさらに何をすべきか、見つめ直すいい機会だと思っている」

 10年夏のベルギー移籍から5シーズン目。過去4シーズンはほぼフル稼働し、日本代表の守護神としてもゴールを守り続けてきた。一度、ピッチを離れて、客観的に自分自身の立ち位置や今後の方向性を再確認することは決してマイナスなことばかりではない。「出ていない状況を悲観的には捉えていない」。今の経験を糧にできるかどうかは自分次第。この壁を乗り越え、さらに自分自身を成長させていくつもりだ。

(取材・文 西山紘平)

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