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[選手権予選]特別な思い胸に選手権へ臨む磐田内定FW、鹿児島城西・岩元が1ゴール:鹿児島

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[11.12 全国高校選手権鹿児島県予選準々決勝 鹿児島城西高 3-0 松陽高 鹿児島県サッカー・ラグビー場A]

 ジュビロ磐田内定の鹿児島城西高FW岩元颯オリビエ(3年)は特別な思いを持ってこの選手権に臨んでいる。夏の高校総体予選では鹿児島実高の徹底マークの前に不発に終わり、0-1で敗戦。「どうしてもインターハイ出たいという思いが強かった分、負けたショックと、ボールも触れずに負けたショックがあった。チームも変わらないといけないし、自分も変わらないと選手権は勝てないなと思いました」。そこから意識をより高めてトレーニングに取り組んできた。「まずはしっかり点獲ることですし、一番ボクがインターハイの後に取り組んできたのは、DFが来るのは分かっているので、チャンスを決めるというのももちろんあるし、チャンスじゃなくても決めるということ。チャンスがなくても自分でつくり出す。味方から受けてではなくても、チームの流れをつくっていきたい。とにかくチームの得点にどういう形でも絡んでいきたい」

 京都サンガF.C.U-15時代には2年時に全日本ユース選手権(U-15)大会得点王に輝き、3年時には10番を背負って全国制覇を成し遂げた。そして京都U-18に進み、プロを目指した岩元だったが、家庭の事情によって今年1月に地元・鹿児島へ帰郷。鹿児島城西に転校して新たな挑戦をスタートすることとなった。そしてかつてFW大迫勇也も背負った鹿児島城西の「9」を受け継いだ岩元は、プリンスリーグ九州1部では開幕から4試合連続ゴールを決めるなど貢献してきたが、鹿児島城西への恩返しのために何としても全国に出たいという思いを持っている。「家庭の事情でこっちに来ることになったんですけど、それでも城西は受け入れてくれて、使ってくれて、いろいろ教えてもらっている。何かしら城西に恩返ししたいという思いが強いですね」。全国総体出場を逃したからこそ、今大会に懸けている。

 今大会初先発したこの日は「(試合に出たくて)うずうずしていた。空回りしてしまっていたところがあった」(小久保悟監督)というように、特に後半は自分で決めようとし過ぎてややリズムを崩してしまっていた。それでも相手が岩元にマンマークしてくる中でもポスト役としてチャンスメークし、ターンからの強烈なシュートやミドルシュートでゴールを脅かした。そして1-0の前半36分にはDF2人にマークされながらも、「DFがボクに寄せられている分、スペースの処理がおろそかになっていたんで。左手でブロックしながら走るコースを自分で開けて、そこにスルーパスを出してもらった」とMF江崎晃大からのスルーパスを引き出して貴重な2点目のゴールをたたき出した。

 京都時代の仲間たちとは今でも連絡を取り合っている。毎日連絡する仲間もいるほどだ。特にU-19日本代表の一員としてAFC U-19選手権で活躍したMF奥川雅也らの活躍は励み以上のもの、無言の檄になっている。「連絡とって『選手権、頑張れよ』と言われるのもあるんですけど、あっちの活躍見て自分もやらなければいけないと単純に思います。身近にいる選手があそこまで上がっている。ボクも(あのレベルに)行かなければならない。(選手権の活躍によって注目度で上回るチャンスはあるが)それに実力が伴うように、まずはここでしっかりと勝ちたいと思います」。練習参加して「一番成長できるなと思った」という磐田入りする前に選手権を勝ち抜き、全国の強豪のDFたちからゴールを奪って、自身のレベルを少しでも引き上げる。

(取材・文 吉田太郎)
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