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[MOM1219]静岡学園MF安原俊平(3年)_這い上がったストライカーが大会初得点で全国切符獲得

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.15 全国高校選手権静岡県予選決勝 藤枝東高 0-1 静岡学園高 エコパ]

 こん身の一撃が、チームに全国切符をもたらせた。前半16分、中央から右に展開した静岡学園は、中澤史伝のクロスに2トップが反応。ニアで薩川淳貴がつぶれ、ファーサイドへ抜けたボールを安原俊平が右足インサイドで合わせてゴールへ押し込んだ。狙い通りの得点だった。静岡学園は序盤から再三、右サイドを突破。右ウイングの中澤が作り出すチャンスをいかにゴールに結びつけるかが勝負だった。安原は「(中澤)史伝が絶対に突破してくれると信じていたので、中に行った。(薩川)淳貴がニアに行ったので、ファーで待っていれば来るなと思って準備していたので、シュートは当てるだけだった。オレが近付き過ぎると、オレのマークが史伝に行ってしまうので、距離を近過ぎないようにすることは、昨日のミーティングでも話していた。史伝と(左の旗手)怜央のところは任せようと言っていた」とゴールの手ごたえを話した。安原は、今予選で初ゴール。前半8分には決定機でシュートを外していただけに、集中力を高めてミートした得点だった。4年ぶりの全国大会出場を決める大きな1点だった。

「オレが中学のときにいたチーム(SHIZUNAN FC)は、ドリブルとリフティングが中心。だから、自然と静学に来ようと思ったし、(個人技を重視する)静学なら自分の良さを出せるかなと思った。中学時代のコーチにはお世話になったので(活躍して)恩返しがしたかった。今日は点が取れて本当に良かった」と喜んだ安原は、静岡学園で鍛え上げられた選手の一人だ。春先の新人戦ではトップチームに入っていたが、夏を前にBチームに落とされた。

「何か理由を言われたわけではない。アドバイスをもらえるほどの力はなかった」と武骨に話す。個人技にこだわり、選手選考も厳しい競争の場にさらされるチームにおいて、安原は這い上がって来る力を試されていた。高校総体予選のときもBチームのままだったが、来る日も来る日もドリブルシュートに磨きをかけた。安原は「力不足だったし、うまくいかなくて苦しかった。でも、Bチームに落ちて、自分を見直して、やっぱりドリブルしかないと思った。ドリブルとシュートを毎日、練習後の自主練習でやって、良いイメージを作ってAチームに上がって、そのままできた。ドリブルには自信があったけど、ひたすらコーンを抜いてシュートを打った。他人よりもたくさんボールを触ることが、きっと上手くなることだと思うから。苦しかったけど、ひと踏ん張りできたのが良かったと思う」と当時を振り返った。

 努力が認められてトップチームに入り、ようやく成果を出すことができた。しかし、まだ力を出し尽くしたわけでもなく、満足はない。安原は「オレは多分、トップチームにいる選手の中では一番、足が遅い。フィジカルの能力もない。プロの選手はみんな足が速いから、憧れる選手はいない。やっぱり、前でプレーしてドリブル中心で勝負というのが、自分の形だと思う。今年は新人戦も高校総体もダメ(県ベスト8)で、この大会にみんながかけてきた。(県予選優勝ではなく)日本一を目指してやってきたので、全国でも初戦から頑張っていきたい」と今後の目標を掲げた。這い上がって勝ち取ったチャンスを生かさずに終わることはできない。次は、必死に磨いてきたドリブルシュートを全国の舞台で見せる。

(取材・文 平野貴也)
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