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[選手権]王国復権の期待背負う静岡学園、予選では“らしさ”欠くも「全国では楽しみにしてもらいたい」

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 サッカー王国・静岡復権の期待がかかる静岡学園高は、現在U-21日本代表の主将を務めるMF大島僚太(現川崎F)を擁した10年度以来4年ぶりの全国大会出場だ。静岡学園と言えば、圧倒的な技巧と豊富なアイディアを駆使した攻撃スタイルを伝統とする元祖・技巧派軍団。全国舞台でもドリブルとショートパスで相手の守備を切り崩して何度も観衆を沸かせてきた。

 だが、川口修監督は4年前に比べると今年は「技術的にはかなり落ちます。守備力だったり、チームとしてまとまったりというのはそんなに変わらないです。でも技術的には大島の代と比べるとかなり落ちます」と説明する。ドリブル、リフティング、ハーフコートでの11対11など徹底的にテクニックとリズム、インテリジェンス向上を目指すチームが、今回の県予選では全国に出場するために、「(過去取り組んだ)記憶にない」(川口監督)というカバーリングやDFの距離間など守備練習も実施。ただ川口監督が「実戦に強い。チョンボもないし、むしろここぞというところでアイツがビッグセーブする。(現在全日本大学選抜の専修大GK)福島の1年よりは全然いい。今回の県大会で自信つけたかもしれない」と賞賛する1年生GK山ノ井拓己の台頭もあって守備の安定感が高まったこと、またスピードのある攻撃が“ハマって”泥臭く勝ち上がることができた。

 例年に比べると技巧のレベルは落ちるかもしれない。それでも「あと1か月半。県予選よりは絶対に良くなる」(川口監督)というように、全国では見る者を楽しませるサッカーができるという自信がある。県予選決勝で決勝ゴールを決めたMF安原俊平(3年)や左SBからボランチへ転向したMF荒井大(2年)が成長。ベンチには期待のドリブラーたちも控え、また怪我の影響で万全でなかった10番FW名古新太郎(3年)も回復してくるはずだ。シーズン序盤は結果が出なかったが、静岡を突破したことで自信は深まった。精神的支柱のCB石渡旭主将(3年)は「全国では楽しみにしてもらいたい。静学のイメージはパスとドリブルじゃないですか。内容で圧倒して日本一になりたいです。記憶に残したいですね」

 初戦の対戦相手は九州の実力派、佐賀東高(佐賀)だ。佐賀東とは06年度大会初戦で対戦。当時の静岡学園はMF杉浦恭平(現神戸)、FW國吉貴博(現富山)、MF吉野峻光(現C大阪)、MF吉田豊(現清水)らが先発に名を連ねた優勝候補だったが、先制されて何とか逆転勝ちをおさめている。今年の佐賀東もFW川内真一(3年)を中心とした好チーム。静岡学園の石渡主将は「1試合目を大事に戦いたい」と引き締めた。過去優勝10回の静岡県勢も最後の全国制覇は95年度の静岡学園が最後。王国復権へ、静岡学園は予選突破につながった堅守速攻に本来の“静学らしい”スタイルを加えて全国に挑戦する。

[写真]静岡学園の石渡主将(左)と佐賀東・峰主将

(取材・文 吉田太郎)
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