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[DAYS×ゲキサカ連動企画vol.25]ヴィッセル神戸U-18MF中坂勇哉(2年)

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DAYS×ゲキサカ連動企画「全国のつくしを探せ!」
[11.23 高円宮杯プレミアリーグWEST第16節 京都U-18 3-4 神戸U-18 布引]

 はたいて良し、仕掛けて良し。この日、彼がボールを持ったら何かが起きる予感がした。後期無敗を意地し、首位に立ったヴィッセル神戸U-18(兵庫)の復調と共に存在感を増しているのがMF中坂勇哉(2年)だ。

 勝てば首位に浮上する京都サンガF.C.U-18(京都)との大一番。序盤から神戸の持ち味である速いパス回しを中盤で支えながら、相手ゴール前に入ると密集を抜けるスルーパスで3トップに好パスを何本も配球。機を見ては自らも果敢にドリブルで仕掛けるなど攻撃を牽引した。

 35分にはPAの手前でボールを受けると、冷静にDFの間にパスを通し、米澤令衣のシュートをお膳立て。一度はGKに阻まれたが、藤本裕豪が押し込んで先制点を引き出した。続く39分にはPA左でボールを受けてすぐさま前を向いたが、素早く京都DF2人がコースを限定。「打とうと思ったけど相手が二人いて、打っても当たるかなと思ったのでパスを選んだ」と柔らかい足首の動きでパスに切り替え、FW南島彰人のゴールをアシストした。

 そして、ラストは4点目となったオウンゴールのシーン。中坂は自陣右から左前方にロングフィードを展開する。相手選手がヘディングでGKに戻したボールがそのままラインを越えた。結果的にはこれが決勝点となり、4-3で神戸が勝利。ラッキーな部分もあったが、4得点中3得点に絡む活躍に「僕は前の選手なのでゴールに絡むプレー、得点やアシストができれば良いなと思っていたので良かった」と充実した表情を見せた。

「得意なのはゴールに向かうプレー。密集でのプレーは好きで、いつも練習している」と攻撃で真価を発揮するMFだが、ルーキーだった昨年はほとんど出番を掴めず。特に優勝争いの真っ只中にいた終盤の6試合では「1分もピッチに立てず悔しかった」。失意の一年となった昨年だが、転機もあった。それは先輩FW表原玄太(現・愛媛)との出会い。「練習から取り組む姿勢が違った」という憧れの存在を意識し、全体練習後も自主練に取り組む彼の真似を繰り返した。元々、パサーだったプレースタイルも変化し、ドリブルの回数が増えたのも彼の背中を追ったからだという。

 成果はすぐに表れ、開幕のガンバ大阪ユース戦では先制点を獲得。幸先の良いスタートを切ったが、「チームも僕も体力に自信がないので夏は動けなかった」と苦笑いしたように日本クラブユース選手権(U-18)大会はグループリーグで敗退。しかし、「涼しくなってきたので動けるようになった」と後期負け無しのチームを牽引する存在となった。好機に顔を出す回数が増えたのはもちろん、走力トレーニングを欠かさなかった彼の努力も無関係ではない。

「夏以降グンと伸びて、チームに欠かせない存在になってきた」と野田知監督が話すように今や不動の定位置を掴むどころか、キーマンと呼べる程の存在かもしれない。単独首位に立つ神戸が現在”9”の連勝を”11”に伸ばせば連覇は確定。難易度の高いノルマだが、彼がこの日のような活躍を見せれば決して難しい話ではない。

(取材・文 森田将義)
 『DAYS』は、何の取り柄も特技もない少年・柄本つくしが、サッカーの名門・聖蹟高校に入部したことで始まる灼熱×感動×奇跡の高校サッカー漫画だ! 現在、週刊少年マガジンで連載中。
 そして今回、柄本つくしのように、“泥臭くチームのために献身的に走る”全国のサッカープレイヤーを応援していく企画がスタート! 各地の高校世代のゲームの中から、毎週つくしに負けない“熱さ”を持った選手をピックアップしていく。全国のサッカープレイヤーは要チェックだ! 次の“つくし”はキミかもしれないぞ!!

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