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3季連続プレーオフ敗退の千葉DF山口智「とにかく甘い」

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[12.7 J1昇格PO決勝 千葉0-1山形 味スタ]

 過去の教訓を生かすことはできなかった。ジェフユナイテッド千葉は7日のJ1昇格プレーオフ決勝で、モンテディオ山形に0-1で敗れ、3シーズン連続でプレーオフ敗退。来季もJ2の舞台でプレーすることとなった。試合後、ピッチに崩れ落ち、10分間以上も立ちあがることのできなかったDF山口智は、「今日の試合を見て分かるように、戦っていないです」と、厳しい言葉を並べた。

「今日の試合はもちろん大事ですが、常日頃やってきていることが出ます。そこができていない部分は、できていないまま出ますし、そういうのを含めて、なんとかできなかった自分が悔しいですね」。

 引き分けでもJ1昇格が決まった千葉だったが、序盤から引いていたわけではない。「入りは悪くなかった」と言う山口は、「すごく厳しいことを言うかもしれないですが」と、前半29分のシーンを悔やんだ。この場面、高い位置でボールを奪った千葉は、右サイドからMF幸野志有人がクロスを入れる。PA内でシュートを打ちに行ったMF町田也真人だが、先に相手にボールをクリアーされて空振りする形となった。その勢いで右肩を痛めたのか、町田はピッチに倒れ込み、試合は一時中断した。

「流れが良かったときに(町田)也真人が倒れて、『(プレー)できるんだったら立てよ』と思ったんですが、ああいうちょっとしたところなんです。一回(外に)出て、相手にちょっと一呼吸与えて、流れが変わって点を取られちゃったんで。あそこから引き分けを狙いに行っているわけではない」

 プレーでも、攻守に甘さがあったと指摘する。攻撃面については「冷静さは、ちょっとなかったかなと。ビビっている。一つ横にパスを出せたら打開できたり、もう一つ我慢して横に付けて組み立てられる場面とか。当事者じゃないから分かりませんが、そこをチームとして、もう少しやっていかないと最後のところは難しいかなという感じはします」と指摘。

 セットプレーの流れから失点を喫した守備面についても「マークは付いているし、昨日の練習からずっとやっている。やられるときはやられる。そこは練習のそのまま。だけど、それを何とかするのが選手、プロなので。それが足りないから入れられた。声掛けをしても、一瞬のスキを見せたらやられる。それがこういう大事な場面で出ちゃう。そこをみんなシビアに考えないと。『自分がヒーローになる』とか、なんとかするとか、そういうレベルの問題じゃない」と、続けた。

「負けたから、文句みたいになって嫌なんですけど、日々の積み重ねしかない。これだけいろんな取り上げられ方をして緊張する中、どれだけ常日頃の自分を見せられるかだと思うし、それができた選手が何人いたのか。出られない選手の分も、出ている選手がやったのか。もっと競争しないといけないと思います。常に、日ごろから。プロとして、人として。とにかく甘いです」

 3シーズン連続でプレーオフに敗れた千葉、J2に降格してから、すでに5シーズンが過ぎた。山口の悲痛なまでの叱責は、チームに届くか。
(取材・文 河合拓)
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