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[大学選手権]J内定5選手抱えるタレント軍団福岡大は高知大相手に延長辛勝発進

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[12.11 大学選手権1回戦 福岡大1-0(延長)高知大]

 第63回全日本大学サッカー選手権大会の1回戦が11日に行われ、2大会前の準優勝校・福岡大(九州2)が高知大(四国)を延長戦の末に1-0で下し、初戦突破を決めた。14日の2回戦では関東王者専修大と対戦する。

 苦しみながらも初戦突破を決めた。福岡大は序盤、乾真寛監督も「相手のキーマンである10番(MF有馬潤(4年=宇和島東高))に気を使いすぎてラインが下がってしまった。1トップの園田と2列目の距離が離れすぎてしまっていた」と嘆く展開が続いた。

 ただ、そこは来季のJ内定者5名を擁するタレント軍団。アビスパ福岡に入団するMF田村友(4年=九州国際大付高)とサガン鳥栖に加わるFW山崎凌吾(4年=玉野光南高)はベンチからのスタートとなっていたが、名古屋グランパスで今季、特別指定選手の身ながら開幕からレギュラーを張ったDF大武峻(4年=筑陽学園高)とV・ファーレン長崎への入団が内定してるDF武内大(4年=国見高)、さらにはギラヴァンツ北九州に加入するDF弓崎恭平(4年=東海大五高)が並ぶ守備陣が決定的な仕事をさせない。高知大も後半14分のDF帷智行(3年=市立西宮高)のシュートが枠外。同19分のFW出口晋一郎(4年=豊浦高)の左足シュートはミートせずに左に流れるなど、決定力を欠いてしまった。

 すると、スコアレスで突入した延長前半4分、右サイドでボールを受けたMF稲葉修土(3年=立正大淞南高)が低いクロスボールを入れると、ゴール前中央でMF野嶽惇也(2年=神村学園)が受ける。「辛抱強くやっていれば、チャンスは来ると思っていた」。野嶽は冷静にゴール左上に蹴り込み、均衡を破った。直後には高知大MF藤川真也(2年=C大阪U-18)にポスト直撃のシュートを放たれたが、ゴールは死守。2回戦進出を決めた。

 決して美しい勝ち方ではなかったかもしれない。ただ、それに関しては個に秀でたチームを率いているとあって、乾監督には「ウチは美しくないサッカーで勝つ」と割り切っている部分もある。さらには「トーナメントは1戦目が一番難しい。逆に苦労したほうが引き締まる」と前向きにとらえている。

 次なる標的は関東1部リーグを4連覇している専修大となる。「サンフレッチェ広島と天皇杯で対戦した時も、前半2-1で折り返して、食ってやろうかなというところまでいった。このチームはハマった時にはハマるものがある」。数々のJリーガーを生みだす名将は、「4年間かけて関東の皆さんが倒せない相手なので、1回で勝とうかなと思います」と不敵に笑みを浮かべていた。

(取材・文 児玉幸洋)
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