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G大阪が史上2クラブ目のトレブル達成! 宇佐美2発などで山形下し、J1昇格直後に3冠の快挙

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[12.13 天皇杯決勝 G大阪3-1山形 日産ス]

 天皇杯は13日、決勝を日産スタジアムで行い、J1のガンバ大阪とJ2のモンテディオ山形が対戦した。Jリーグとナビスコ杯を制したG大阪とJ1昇格プレーオフを制した山形という勢いのあるチーム同士の一戦は、前半4分の先制点を含むFW宇佐美貴史の2ゴールの活躍もあり、G大阪が3-1で勝利。00年の鹿島以来、史上2クラブ目となる3冠を達成。J1昇格のシーズンを最高の成績で終えた。

 G大阪はJ1最終節の徳島戦から先発2人を変更。DF米倉恒貴をベンチスタートにし、右SBにオ・ジェソク、左SBに藤春廣貴を起用した。また、MF阿部浩之がベンチから外れ、MF倉田秋が先発している。一方の山形は、7日のJ1昇格PO決勝から3選手を変更。MFキム・ボムヨンに代わりMF伊東俊が左SHに入り、G大阪から期限付き移籍で加入しているため出場できないFW川西翔太に代わりロメロ・フランクがFWで出場。それでも、負傷していたFWディエゴが先発に復帰した。
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 開始早々からアグレッシブなプレスを見せる山形は1分、ロメロ・フランクのパスをPA内で受けたMF松岡亮介がシュート。オフサイドと判定されたが、積極的に攻める姿勢を示した。しかし、G大阪も4分にGK東口順昭のフィードを受けたFWパトリックが宇佐美にパス。胸トラップから宇佐美が放ったシュートはGK山岸範宏がセーブしたが、こぼれ球に詰めた宇佐美が自らゴールに押し込み、G大阪が1点をリードした。

 先制された山形は、前半12分にFWディエゴがミドルシュートでゴールを狙うなど、攻めの姿勢を崩さない。押し込まれたG大阪だが、前半17分にはハーフウェーライン付近でボールを奪ったMF大森晃太郎が宇佐美にパス。宇佐美はGK山岸と1対1になったが、シュートを右に逸らしてしまう。

 それでも22分には中盤でボールを受けた宇佐美が、DFの寄せをものともせずにボールを前に運び、パトリックにパス。PA内で体勢を直したブラジル人FWが右足でシュートを決めて、リードを2点差に広げた。

 山形は27分にMF宮阪政樹がドリブルで守備を崩して、ディエゴにパス。ディエゴが反転からゴールを狙ったが、シュートは右サイドネットに外れて行った。運動量の落ちてきた山形に対し、徐々に攻勢を強めるG大阪は30分に倉田がPA内からゴールを狙ったが、GK山岸に防がれる。その後も、倉田や大森がゴールを狙ったG大阪は前半45分にもMF遠藤保仁のCKからDF岩下敬輔がドンピシャのヘディングをゴールに飛ばしたが、GK山岸のセーブに遭う。このままG大阪が2点のリードで前半を折り返した。

 後半の開始から山形は、伊東に代えて、DF船津徹也を投入する。しかし、後半も最初に決定機を迎えたのはG大阪。1分、パトリックがPA外でボールを受け、シュートしたが、枠の左に外している。さらに14分にもG大阪は細かいパスワークから宇佐美がゴールを狙ったが、シュートは右に外れて、こちらも2点目を挙げられない。

 山形は15分、山崎を下げてFW林陵平を起用する。その2分後には左サイドからクロスを入れると、中央で松岡が潰れて流れたボールをロメロ・フランクがゴールに決めて1点差に詰め寄った。攻勢の山形は同24分にもディエゴが倒されて得たFKから、宮阪が直接ゴールを狙ったが、GK東口に抑えられた。その1分後にもディエゴがロメロとの連係からゴールに迫ったが、これもGK東口に防がれる。同32分にもディエゴがPA外からシュートを放ったが、右に逸れて行った。

 プレーが切れたところで、G大阪は後半30分に負傷してピッチを離れていた岩下に代わり、DF金正也をピッチに送り出す。35分には山形も最後の交代枠でロメロを下げて、FW中島裕希を投入した。

 後半36分にG大阪は宇佐美のロングパスを受けたパトリックがボールをキープ。倉田を経由して再びボールを受けた宇佐美がゴールを狙ったが、クロスバーを越えた。追いつきたい山形だが、右SB山田拓巳も足をつらせるなど、疲労の色が濃く攻撃に人数を割けない。

 山田がピッチ外で治療を受けている状況で、G大阪は遠藤からのパスを受けた宇佐美がシュート。DF當間建文に当たったボールはゴールに決まり、G大阪が再びリードを2点とした。G大阪は42分に大森を下げて、FWリンスを投入。同45分には足の止まった山形から遠藤がミドルシュートでゴールを狙ったが、右に外れた。4分間のアディショナルタイムでは、ボールを保持して山形にチャンスを与えなかったG大阪。アディショナルタイムにはパトリックに代えて、MF明神智和を投入して時間を使い切り、J1リーグ戦、ナビスコ杯に続く、3冠に輝いた。

(取材・文 河合拓)

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