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[プレミアリーグ参入戦]後半はシュート0本と苦しんだ大宮。辛勝でプレミア昇格に王手

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[12.14 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦 大宮ユース 1-0 大阪産業大附高 広島皆実高G]

 大宮アルディージャユース(関東1、埼玉)と大阪産業大附高(関西2、大阪)の高円宮杯U-18サッカーリーグ2014 プレミアリーグ参入戦1回戦は、降雪の影響で1日順延となり、エディオンスタジアムから広島皆実高校の人工芝グラウンドに会場を移して行われた。

「30点です」。この試合を厳しく採点するのは、大宮の伊藤彰監督。高山和真小島幹敏とトップ昇格2選手を擁する関東王者が、苦戦を強いられた。

 前半を一言で表現すれば、大宮がボールを保持しつつ、なかなか相手を崩せないという展開だった。とはいえ、じっくりボールを握って相手を走らせ、隙ができるのを待つのは彼らのスタイル。前半のシュートは4本に留まったが、悲観するほどの内容ではなかったと言っていい。大宮はチャンスが少ない中でも、37分には小島が先制点を叩き出した。小島は川田拳登のラストパスから抜け出し、最初に放ったシュートこそポストに当ててしまったが、自らこぼれ球に詰めて押し込んだ。

 しかし、大産大附はハーフタイムで立て直しに成功する。中西幸司監督の指示は「引いて守っても自分たちの特長は出ない。守備も攻撃も高い位置から」というもの。8分にキープ力、パスセンスを持つ松浦公喜を投入し、中盤の底に配置したことも効いた。トップ下2枚とアンカーが、ビルドアップやセカンドボールの確保で優勢に立ち、流れは完全に大産大附のモノとなった。

 大宮が後半に放ったシュートは0本。押し込まれて、耐える45分間だった。ディフェンスリーダーの高山は「単純に全員の運動量が少なくなったことが原因。全員がポジションを早く取れれば、あのプレッシャーも解放できた」と反省する。伊藤監督は「(大産大附が)前から来ているので、本来なら相手をしっかり剥がしながら、ゲームをコントロールしなきゃいけない」と選手たちに求めていたものを説明する。しかし、思うに任せない展開の中で、最後は割り切った。「最後のところは5バックにして、守れる状態をしっかり作った。あまりやりたくはないけれど、こういう試合なので…」(伊藤監督)。

 とはいえ、最後の堅さは流石だった。サイドから上がったクロスは高山を中心としたDF陣が完璧に弾き返し、セットプレーでも集中力を切らさなかった。大産大附の突破に際どい対応を強いられることはあったが、ファウルをしてもエリアの外だった。

「自分たちのサッカーをしないで勝てた」(伊藤監督)ことは、彼らの地力を示すものでもあるだろう。キッチリ逃げ切った大宮が1-0で大産大附を下して2回戦進出を決めた。プレミア昇格を懸けたベガルタ仙台ユース戦は、15日に行われる。

[写真]小島の決勝点を喜ぶ大宮ユースイレブン

(取材・文 大島和人)
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