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2度の決定機を逸したFP渡邉「なんで外したのか分からない」

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[12.18 親善試合 フットサル日本1-1フットサルクロアチア 駒沢体育館]

 1-1で迎えた試合終了間際、名誉挽回のチャンスは来た。FP渡邉知晃は、前半15分、右サイドを突破したFP吉川智貴の折り返しをファーポスト前で合わせた。ボールがゴールに飛べば1点という状況だったが、この決定機を右に外してしまっていた。

 試合を優勢に進めた日本は、FP加藤竜馬のゴールで先制したが、残り2分を切ったところで、パワープレーから同点ゴールを決められてしまう。1年7か月ぶりのホームゲームで勝利したいミゲル・ロドリゴ監督は、ここからパワープレーを仕掛けた。再びピッチに送り出されていた渡邉に決定機が来る。しかし、渾身のシュートはクロスバーを大きく越えて行った。

「今日は何もないです」。試合後、普段は饒舌な渡邉は、うな垂れながら、それでもミックスゾーンで足を止めてくれた。

「試合の感想? もうね、試合中のプレーについて語れない。最後のが痛すぎて。最後のパワープレーのときのシュートミスしか印象にない。無人のゴールに…自分でもなんで外したのか分からない。映像を見てみないと分からないですけど、なんであんな弾道になったのか。ミゲル監督は『もしかしたら、ちょっとボールが浮いていたんじゃないの?』と言っていましたし、浮いていなかったらあの距離で、逆に浮かせられないと思う。あれが入っていれば、勝っていましたからね…。完全に勝ち試合を引き分けにしちゃった。それに尽きます」と、一気にまくし立てた。

 ミゲル監督就任後、すぐに代表に選出された渡邉だが、ここまでの代表におけるキャリアが順風満帆だったわけではない。2010年、2012年のアジア選手権では、直前までメンバーに残りながらも、本大会のメンバーからは外されていた。今年、初めてアジア選手権のメンバー入りを果たし、決勝のイラン戦では延長戦で同点ゴールを決め、日本の大会連覇に貢献。その活躍もあり、この試合ではパワープレー要員として起用されていた。

 結果を残さなければ、代表に生き残れない。逆に結果を出せば、チャンスは広がっていく。そのことを、誰よりも分かっているからこそ、この日のシュートミスを悔やみ、2日後の第2戦に向けて気持ちを切り替える。

「ああいうのを決めるのが、オレの役割ですよ。そんなに出場時間が長いわけではないですが、出たときの1チャンスを決める役割。それが、今日は果たせなかった。次、神戸では、なんでもいいから1点取りますよ」

 アジア選手権でも、渡邉は決勝までゴールを挙げることができていなかった。土壇場に強い男は、この日の鬱憤を晴らすゴールを狙う。

(取材・文 河合拓)

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