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[選手権]横浜FM内定MF中島先制ヘッド!東福岡が夏冬連覇へ開幕戦制す!!

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[12.30 全国高校選手権開幕戦 三鷹高 0-2 東福岡高 駒沢]

 30日、第93回全国高校サッカー選手権が東京・駒沢陸上競技場で開幕し、開幕戦で地元・東京B代表の三鷹高と夏の全国高校総体王者・東福岡高(福岡)が激突。東福岡が横浜F・マリノス内定のU-18日本代表MF中島賢星主将(3年)の先制ヘッドなどによって2-0で勝った。

 「高校サッカーの聖地」国立競技場が改修工事に入ったため、開会式・開幕戦の会場が駒沢陸上競技場、準決勝・決勝の会場が埼玉スタジアム2002へと「蹴都移転」した選手権。注目の開幕戦は、東福岡が勝利した。東福岡は夏の全国高校総体で6試合26発。また横浜FM入りする中島、“ヒガシのクリロナ”ことヴィッセル神戸内定MF増山朝陽(3年)の2人のJ内定選手を擁するダントツの優勝候補・東福岡に対し、「都立の星」三鷹が地元の声援に後押しされて好ゲームを演じる。

 4分、三鷹はスペースを突いたFW長島潤也(3年)が振り向きざまの左足シュート。東福岡は中島がゲームの組み立てに参加しながらサイド攻撃。わずかに中央が開けばグラウンダーの縦パスを入れて攻撃をスピードアップしようとする。ただ三鷹は東福岡の“危険人物”である右の増山と左の赤木翼(3年)の両翼をサイドでSHとSBが献身的に挟み込んで“防波堤”となると、堀田将弘田嶋優也のダブルボランチも良く相手ボールに絡んで見せる。そして最終ラインが根気強く跳ね返すと、セカンドボールを自らに傾けて東福岡に連続攻撃させなかった。

 それでもビッグチャンスをつくり出す東福岡は8分、右中間を縦に割って入った赤木のラストパスで抜け出した全国高校総体得点王のFW木藤舜介(3年)が決定的なシュート。16分には増山が右サイドを個人技で破ると、ファーサイドで拾った中島がDFの股抜きドリブルから柔らかいクロスを入れて会場を沸かせる。

 そして25分には左サイドを抜け出した赤木が決定的なラストパス。これを木藤が左足で合わせたが、三鷹はGK武田啓介(3年)がビッグセーブで食い止める。東福岡は25分、32分と左CKからCB加奈川凌矢(3年)が圧倒的な高さからヘディングシュート。そして35分にはMF近藤大貴(3年)の縦パスを木藤が1タッチで落とすとDF間を割って入っていった増山が抜け出してGKと1対1になる。ただ、シュートは再びGK武田が阻止。東福岡は40分にも木藤のポストプレーから近藤が豪快な右足ミドルを打ち込んだが、シュートはクロスバーを直撃した。そして0-0のまま前半終了の笛。耐え抜いた三鷹を讃える拍手が観衆から巻き起こり、佐々木雅規監督はハイタッチで選手たちを迎えていた。

 だが、後半開始直後、「ヒガシのエース」が均衡を破る。2分、東福岡は左SB末永巧(3年)が蹴りこんだストレートの左CKを中央から飛び込んだ中島がヘディングシュート。これが好守を連発していたGK武田の横を抜けてゴールネットへ吸い込まれた。畳み掛けようとする東福岡は8分にも中島の左クロスから近藤が決定的なヘディングシュートを放つ。ただ、三鷹も反撃する。11分にはカウンターからMF巽健主将(3年)が右足ミドル。そして13分には縦へのフィードに3人が走り込み、混戦を抜け出したMF平光太一(3年)がゴールへ流し込んだが、直前のハンドを取られて“幻”のゴールとなってしまった。

 すると、東福岡は19分、末永の柔らかい右CKをCB小笠原佳祐(3年)が頭でゴール右隅へ叩き込んで2-0。高さで完勝するなど身体能力の差を示した東福岡は23分にもDFを完全に崩して中島が決定的な右足シュート。38分には中盤でターンしてマークを外した末永を起点に右サイドでボールを受けた増山がクロスバー直撃の右足シュートを打ちこむ。試合は2-0で終了。現校名で最後の選手権を戦う三鷹のハードワークの前にスコアで圧倒することはできなかったが、夏冬連覇を狙う“赤い彗星”東福岡が大きな目標へ向けてまず初戦を突破した。 

(取材・文 吉田太郎)
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