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[MOM1272]中津東GK小倉海斗(3年)_緊急投入された男がPKストップ「歴史を築けた」

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 青森山田高 1-1(PK2-4) 中津東高 駒場]

 出番は突然やってきた。1-0と1点をリードして迎えた後半18分、中津東高(大分)をアクシデントが襲う。ここまで、強豪校である青森山田高(青森)を無失点に抑えていたものの、GK久保政博(2年)がセットプレーで接触し、立ち上がることができない。負傷交代を余儀なくされると、GK小倉海斗(3年)は急きょピッチへと送り込まれた。

「ベンチで準備はしていましたが、正直出るとは思っていませんでした。これまでにも何度かこういうことはありましたが、いざ出ると緊張で頭が真っ白になりました(笑)」と試合後に語ったが、後半31分にはCKからあわやという場面を作られながらも必死にボールに飛びついて失点を防ぐ。しかし、このまま逃げ切るかと思われた同37分にDF原山海里(2年)の驚異的なロングスローからFW鈴木将馬(3年)にヘディングで叩き込まれて、1-1の同点に追い付かれてしまった。

「自分が出て、ロングスローから決められてヤバいと思いました」と失点シーンを振り返ったが、すぐさま気持ちを切り替えていた。「だけど、自分はPKが得意なのでイケる」と――。

 そして、迎えたPK戦で大仕事をやってのける。1人目のシュートをストップすると、4人目のシュートも弾き出した。「1本目はたまたまでしたが、2本目は相手が止まったので、そこで我慢できました」。緊急投入された男はPK戦で絶大なる存在感を示し、チームを選手権初勝利へと導いた。

「一昨年と昨年の選手権では1回戦を突破できていなかったので、自分たちの代で歴史を築けました」と笑顔を見せると、「全国初勝利、1回戦突破が目標でしたが、それを達成できたので、ここからは無我夢中に上を目指すだけです」と視線を上に向けて話した。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 折戸岳彦)
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