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[皇后杯]「弥生ちゃんのため」団結した日テレが最後の最後でタイトル奪取

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[1.1 皇后杯決勝 浦和0-1日テレ 味スタ]

 皇后杯の決勝が1日、味の素スタジアムで行われ、日テレ・ベレーザ浦和レッズレディースを1-0で下し、2009年度大会以来、5大会ぶり11度目の優勝を決めた。

「弥生ちゃんの最後を飾りたい」。日テレの選手全員から聞かれた声。今季限りで現役を引退することを表明したMF小林弥生への思いが、イレブンの更なる団結力を生んでいた。

 正式には12月26日に発表された小林の現役引退だが、イレブンには今季が始まる前にすでに明かされていたことだった。しかし春には3連敗を喫するなど苦しんだレギュラーシーズンは、1位湯郷ベルに勝ち点1差の2位。エキサイティングシリーズ上位リーグでは、最終節で浦和に勝ち点で追いついたものの、得失点で上回れず、タイトルを逃していた。「申し訳ない気持ちが強かった」。DF岩清水梓も複雑だった心境を明かした。

 若手選手にとっても特別な存在だった。決勝戦で決勝点を奪ったFW田中美南もその1人。「個人的に初めてサインをもらった選手も弥生さんだった。そんな選手を間近に感じることができて、学ぶことも多かった」。そして前半19分、タイトルを手繰り寄せる先制点を決めると、一目散にベンチの方まで駆けて行った。「チームみんなが思っていたことだと思うけど、ここまで来たら優勝して、いい引退試合にできたらいいなと思っていた。点を取ったら絶対ベンチに行くと決めていた」。満面の笑みを浮かべながら、大先輩への感謝を示していた。

(取材・文 児玉幸洋)

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