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[選手権]初出場校同士の一戦、粘る宇治山田商高に耐えた開志学園JSC高が勝利

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[1.2 全国高校選手権2回戦 宇治山田商高 2-3 開志学園JSC高 ギオンス]

 第93回全国高校サッカー選手権2回戦が2日に各地で行われた。神奈川・相模原ギオンスタジアムの第1試合では、宇治山田商高(三重)と開志学園JSC高(新潟)が対戦。初出場校同士でともに初戦となった一戦は、前半に2点を先取した開志学園JSC高が粘り強く詰め寄る宇治山田商高から逃げ切り、3-2で勝利した。2度も1点差に詰め寄り、スタンドを沸かせた宇治山田商高だったが勝利はならなかった。

 午後へかけて風が強くなる特徴のある相模原ギオンスタジアム。12月31日に行われた1回戦では、前半に風下を選択した草津東高(滋賀)が風上に立った後半に“地の利”を活かして2点を追加。遠野高(岩手)を3-1で下して初戦突破した。この日の試合前、コートチェンジは行われず。前半は宇治山田商が風下に立ち、開志学園JSC高がキックオフ。試合は始まった。

 開始直後のワンプレーでゴールが生まれる。前半1分、開志学園JSC高が左サイドから攻め込んだ。PA左からドリブル突破したFW上口玲央(3年)が走りこんできたFW染野伸也(3年)へパス。すると後方でリターンを受けた上口が中央へ折り返す。ゴール正面へ詰めていたMF石塚功志(2年)がDFを背負いながらも、ターンから右足シュートを突き刺した。先発11名のうちで唯一の2年生MFが値千金の先制弾。開志学園JSC高が1-0とリードを奪った。

 その後も果敢に攻め込む開志学園JSC高は、前半11分に早くも追加点。右サイドからドリブルで持ち込んだ染野がPA内でMF松本直也(3年)に倒され、PKを獲得する。キッカーを務めた染野が冷静にゴール左下隅へシュートを決めた。早い時間帯に2点の先取に成功した。

 一方の宇治山田商高は1点を返そうとカウンターからゴールを目指すも、シュートまで持ち込めない。2点を先取しながらも前線からプレスに来る相手に引いてしまい、なかなか敵陣でプレーすることができず。FW結城海太(2年)がドリブルで仕掛けるが得点にはつながらない。前半22分には、左サイドから仕掛けた結城がDFを振り切って右足シュートを打つも、GK子安崇弘(3年)が防ぐ。こぼれ球も最後はDFにクリアされた。その後も相手の裏を狙ったパスを出すも、つながらず。時間は過ぎた。開志学園JSC高が2-0のリードのまま、前半を折り返した。

 迎えた後半、徐々に風も強くなり始めた相模原ギオンスタジアム。風下に立つ開志学園JSC高は攻めあぐねる。後半13分にはゴール前混戦からシュートを放つ場面があったものの、クロスバーを直撃。3点目を奪うことはできない。

 すると、カウンターからチャンスを迎えたのは宇治山田商高。PA右からドリブルで仕掛けたFW西口亮城(3年)が一度はボールを失いかけるも、粘り強く攻め込むと右足シュート。1-2に詰め寄った。ようやくゴールが生まれた宇治山田商高は、応援スタンドも大盛り上がり。一気に加勢に出る。後半21分には再び西口がゴール前へ飛び出すも、GK子安に阻まれた。

 1点差に詰め寄られ、嫌なムードとなった開志学園JSC高だったが、慌てることなくプレーに徹する。すると後半22分、途中出場のルーキーMF大坪奨(1年)がドリブルで仕掛ける。DFとの1対1から抜け出すと、たまらずPA外へ飛び出てきたGK森田隆平(3年)に倒された。PA手前正面でFKを獲得する。するとキッカーを務めたDF高橋颯人(3年)が壁を前に冷静に左足を一閃。鮮やかな軌道を描いたボールはゴールネットへ吸い込まれた。開志学園JSC高が3-1と再び2点差へ広げる。

 それでも、流れをつかみ損ねたものの諦めない宇治山田商高。失点から6分後の後半29分に再びゴール。相手のミスを逃さずボールを奪うと、最後はFW羽山哲矢(3年)がゴールを決め、2-3に詰め寄った。粘り強く食いつく宇治山田商の姿にスタンドは大きく沸く。同点弾を目指す宇治山田商は、その後も敵陣内でプレーを続け、セットプレーからもチャンスを迎える。しかし必死の猛攻は実らずに、3-2のまま試合は終了。開志学園JSC高が逃げ切り、全国初勝利を挙げた。

 試合後、開志学園JSC高の宮本文博監督は「勝つことができて嬉しいです。だが厳しい試合になるとは思っていたが、ここまで苦しい展開になるとは」と苦笑した。大会直前には人工芝でしかトレーニングをすることができず。本番での体力低下を懸念していたという。この日はその不安が的中。試合後にはDF陣が軒並み足を吊る状況だった。それでも宇治山田商高の猛攻を全員で凌いでの全国初白星。「まずは勝てたことが本当に良かった」と指揮官は安堵の表情を浮かべていた。

 一方、敗れた宇治山田商高の江崎徹監督は「最初の10分がすべてだった」と早い時間の2失点に悔しい表情。なんとか食らいつき、2度も1点差に詰め寄ったが「あのシュート(FK)は仕方ないにしても……3点目のシーンが勝負を決める上では痛かった」と唇を噛んだ。

(取材・文 片岡涼)
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
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