beacon

[MOM1284]米子北MF君垣隆義(3年)_チームカラーとなる161センチの“コツコツ主将”

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 中京大中京高 1-2 米子北高 駒場]

 キャプテンマークを巻く男は、ピッチ上の誰よりも小さかった。しかし、米子北高主将、161センチのMF君垣隆義(3年)は圧倒的な存在感を放ち、試合終了のホイッスルが吹かれるまで攻守に働いた。

 前半13分に中京大中京に先制を許した米子北だが、背番号9を背負う君垣が同点ゴールを叩き込む。同18分、MF松本浩輝(3年)からショートコーナーを受けると、視線をゴールへと向ける。左足から放たれたボールはGK矢内大介(3年)の頭上を越える鮮やかな軌道を描き、ゴールへと吸い込まれた。

 華麗な一発に会場がどよめいたが、本人は苦笑してゴールシーンを振り返る。「もっと巻いたボールでGKから逃げるボールを蹴ろうとして、ファーポストを狙ったんです。それがうまく入ってしまったと言うか…」と語ったものの、「あんなにきれいに入るとは思っていませんでした。本当にうまく入ってくれたので、すごくうれしかったです」と夢舞台でのゴールを素直に喜んだ。

 鋭いドリブルと正確なキックで攻撃をリードしたかと思うと、守備に回れば粘り強い対応で相手から自由を奪い取る。「相手の方が大きいですが、自分が先に相手の懐に潜り込んで体を入れてしまえば、身長差はあまり関係ありません。この1年でSBを何回かやらせてもらったので、1対1の守備も自信をつけました」と語ったように、小兵戦士は相手の懐に入り込んでボールを強奪する場面を何度も作り出した。

 左腕にはキャプテンマークが巻かれている。チームを率いる城市徳之監督は君垣をキャプテンに指名した理由を、「彼はすごく真面目でコツコツできるタイプです。今年はそういうチームカラーになると思っていたので、他にリーダーシップを発揮できる選手もいましたが、それよりも君垣の色、勤勉で真面目なところを重視して彼に託しました」と語っている。

 3日に対戦する星稜高(石川)には、インターハイで1-5と敗れた苦い経験がある。「僕はやれることはいつもコツコツやろうとしていて、自分でも真面目なタイプだと思います(笑)。星稜高にリベンジしたい気持ちもありますし、3回戦は初の舞台なので楽しみながら思い切りやりたいです」と語る“コツコツ主将”がチームカラーとなる米子北は、初の3回戦の舞台で夏のリベンジを狙う。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 折戸岳彦)
▼関連リンク
【特設】高校選手権2014
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2014

TOP