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[MOM1289]中津東DF松永康汰(2年)_特異な守備を支える唯一のフリーマン

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 郡山高 1-2 中津東高 駒場]

 特異な守備だ。中津東高は守備に回ると、マンツーマンディフェンスで相手攻撃を封じようとする。相手SBまで監視下に置く徹底ぶりで初戦の青森山田戦で選手権初勝利を挙げると、この日の郡山戦では2-1の勝利を収めて初の3回戦へと駒を進めた。

 中盤から後方の選手のほとんどがマンツーマンで守備につく中、最終ラインの裏に一人だけマーカーを持たないフリーマンが存在する。それが、DF松永康汰(2年)だ。試合状況に応じて右へ左へとポジションを移すと、絶妙なカバーリングで危機の芽を未然に摘み取った。

 松田雄一監督が「カバー役を任せています。河野(史勇太)、山田(大雅)、福井(康平)が相手にプレッシャーをかけたところで、うまくカバーに回れるようにしっかりポジションをとってもらうようにしています」と松永康の役割を語ったが、守備面だけでなく攻撃面での貢献を考えての配置だとしている。「彼はしっかりとした技術があるし、周りを見ることもできます。ウチがボールを奪った後に最終ラインの裏でフリーでボールを受けられたら、大きな展開ができます。ウチの攻撃の起点になってくれています」。

 松永康自身も、その役割は自覚している。「自分はキックの精度に自信があるので、サイドの裏が空いていたら、そこに蹴り込みますし、FWに当てた方が良いと判断すればそこに当てるボールを入れることを意識しています」と語ったように、最後方からの正確な散らしで攻撃にリズムを生み出していた。

 試合の流れを読んだカバーリングで守備を支え、攻撃の起点も任される現ポジションを「大変だけど、面白いですよ」と語った唯一のフリーマンは、初の3回戦進出に「うれしいの一言です。次もしっかりと勝ちたいです」と胸を張って答えた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 折戸岳彦)
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