beacon

[選手権]流経柏ゴール脅かした前橋育英エースMF渡邊、迫って来ている爆発の瞬間

このエントリーをはてなブックマークに追加

[1.10 全国高校選手権準決勝 流通経済大柏高 1-1(PK4-5)前橋育英高 埼玉]

「誰ひとり諦めていなかったというのは事実。流経の試合見たら、ウチらみたいなサッカーで勝ち上がって来ている。それをやり返せたというのは自信につながるし、1秒でも残っていたら諦めないという気持ちが、きょうで改めて大事なんじゃないかなと知ることができたのでいい経験ができました」。前橋育英高のエース、U-19日本代表MF渡邊凌磨(3年)は諦めずに戦い続けて奪った劇的な同点ゴール、そしてPK戦の末に掴んだ白星を喜んだ。

 それでもリードを奪われて終盤まで1点を追う非常に苦しい展開だっただけに「こういう展開になるとは予想していなかったし、こういう展開にしてはいけないと思うので次の試合はしっかりと先制点を奪って、自分たちの流れに持って行って、追加点とかそういう形でやっていかないといけない」と気を引き締めた。自分たちの流れに持って行くためには、やはり渡邊の活躍が不可欠だ。

 この日は立ち上がりから積極的にゴールを狙っていた。前半18分に左スローインを受けると、体重をボールに上手く乗せて弾丸ライナーの右足ミドルを枠に飛ばした。そして後半8分、9分には相手DFの背後を突いて立て続けに決定的なシュート。1本はGKの好守に、もう1本はゴールマウスに阻まれて得点には至らなかったが、PA近くでもDFをかわし、シュートへ持ち込むMFはチームで最も得点を予感させる存在だった。

 今年1年、苦戦を渡邊の一撃で乗り越えてきた試合が幾度もある。一昨年のU-17W杯でも3ゴール。大事な試合でこそ、渡邊は個性を発揮して結果を残してきた。今大会はアシスト役に回っているが、決勝での爆発を期待されている。山田耕介監督は「もうひとつきっかけがあれば爆発するんじゃないか」。本人はもちろんゴールへの強い意欲を持っているが、まずはこれまで通りチームのために戦い続ける構え。「いいところを持っていけたらないいなと思います。(きょう)入らなかったのは残念なんですけど、枠には行っているし、数を増やしていけばゴールも生まれてくると思う」。やるべきことを続けて、ファイナルで歓喜の一撃を決める。

(取材・文吉田太郎)
▼関連リンク
【特設】高校選手権2014

TOP