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4年越しアジア杯デビューの酒井「久々に緊張した」

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[1.12 アジア杯D組 日本4-0パレスチナ ニューカッスル]

 11年の前回大会は19歳でアジア杯メンバーに選ばれながらも、開幕直前に腰痛に見舞われ、ヨルダンとの初戦を待たずしてチーム離脱が決定。ヨルダン戦翌日に日本に帰国したDF酒井高徳(シュツットガルト)が、パレスチナ戦で4年越しのアジア杯デビューを果たした。右SBで先発フル出場。「あまり緊張するタイプではなかったけど、久々に少し緊張した」と言いながら、うれしそうな表情だ。
 
 前半はイージーなミスや曖昧なプレーでボールを失う場面もあり、時にカウンターを受けるシーンもあった。

「相手がどういうタイプか分からなかったので手探りになってしまい、前半は後手後手に回ってしまった。それでも、時間が経つにつれて相手との関係には慣れてきて、対応できたのは良かったと思う」

 もっとも、予選勝ち上がりでアジア杯初出場を果たしたパレスチナ相手では、参考にならない点も多いと感じている。

「先制点を取れたことは良かったし、試合の流れ自体は良かったけれど、簡単に失ってしまったり、カウンターになりそうなボールの奪われ方をしたところもある。そういうところを突き詰めないといけない。今日の試合をもう一度続けてやるというよりは、一度ゼロにして、対イラクということしっかり見つめ直さないといけない」

 右ウイングのFW本田圭佑が中に絞ることが多く、目の前にスペースはあったが、酒井自身が上がっていく回数は多くなかった。それは左SBのDF長友佑都の攻撃参加が多かったから。「こういう大会で目立ちたい、活躍したいという気持ちはもちろんあるが、僕は攻撃の選手ではない。バランスを取ることが重要だし、DFとしてはリスクを一番に考えてやらないといけない」と役割を第一に考えてのプレー選択だったことを強調した。長友には、2点目が入った時点で「今日はそんなに(前に)行かないで、佑都くんに任せようかな」と声をかけたという。

 状況を見ての判断は、右膝の負傷でアジア杯を辞退したDF内田篤人(シャルケ)に一日の長があるが、酒井も徐々に身につけているようだ。フィジカルの強さと攻撃的野心を武器とする23歳にとってこのアジア杯は、さらなる前進のための場でもある。

(取材・文 矢内由美子)

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