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[選手権]優勝の実感が湧いた瞬間、星稜MF杉原「これが日本一の景色だと思った」

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[1.12 全国高校選手権決勝 前橋育英高 2-4(延長)星稜高 埼玉]

 本当に優勝したのかと、戸惑いもあった。しかし、チームメイトと雄叫びを上げた瞬間、優勝を実感した。星稜高MF杉原啓太(3年)は「サッカーをやってきて良かった」と感慨深げに話した。

 準決勝の日大藤沢戦で約3カ月ぶりに先発を飾りゴールを記録した杉原は、決勝の舞台でも先発出場を果たした。すると、試合開始から存在感を示す。「相手のマークが自分に対して少し甘く感じました。仕掛けられるようなら仕掛けてやろうと思っていたので、縦にも中にも仕掛けられた」と語ったように、ピッチ上で躍動。右サイドから巧みなステップで前橋育英高守備陣を混乱に陥れると、自らも積極的にシュートを放ってゴールを脅かした。

 しかし、2-2で迎えた後半21分にピッチを後にした。残り時間をベンチから見つめることになったものの、悔いはなかった。「後半はガス欠して何もできませんでしたが、前半の積極的な姿勢が自分の持ち味なので、それができて良かったです」。自らの持ち味を発揮できたと感じたからこそ、あとはチームメイトを信じ、ベンチからできることをしようと決心する。「本当に優勝したかったので、チームのために一生懸命声を出そうとしました」。

 すると、延長前半5分に勝ち越したチームは、試合終了間際にもダメ押しゴールを奪い、悲願の初優勝を飾った。しかし、試合終了直後の杉原は戸惑っていた。「試合が終わったときには、本当に優勝したのか実感がなく、戸惑いがありました」と語ったものの、チームメイトとともに上がった表彰台で実感がジワジワと湧いてくる。

 そして、両手を挙げて喜びを爆発させた瞬間、今まで見たことのない景色が広がった。「これが日本一の景色なんだと思った」。周囲には喜びを分かち合える大事な仲間がいる。そして、眼前には自分たちを祝福する大勢の人たちがいた。

 初めての景色を見た杉原は、「自分が試合に出て全国優勝することは初めてだったので、それがうれしかったし、ものすごい達成感がありました。サッカーをやってきて本当に良かったです」と充実した表情で話した。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 折戸岳彦)
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