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[MOM1313]水戸啓明MF坂本信光(2年)_「チーム一走ること」にこだわる精神的支柱

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.24 茨城県新人大会決勝 水戸啓明高 5-1 古河一高 鹿島ハイツ2]

「疲れているところで鼓舞しながらやってくれた。気を抜かず、支柱となっている」。水戸啓明高の巻田清一監督は精神的にチームをけん引するMF坂本信光主将(2年)について、運動量の面でもチームで唯一合格点を与える。明秀日立高に競り勝った準決勝に続き、決勝でもその走りがチームには非常に大きかった。

 元ブラジル代表FWロナウジーニョが大好きというサイドアタッカーだが、チーム一の走力を活かして献身的なプレスバック。相手をSBと挟み込んでボールを奪い、前へ出て行く力も見せた。そして敵陣では得意のドリブルでDFを外してシュートを打ちこんでいく。優勝後「普段点取る自信があるんですけど、この大会は1点しか取っていない。点取れる選手になりたいです」と反省点を口にした坂本だが、DFを引き付けてのスルーパスで4点目の起点となるなど、落ち着いたボール捌きでも攻撃の支柱となっていた。

 今大会で対戦相手を悩ませた「運動量」は坂本が最もこだわっている部分だ。「元々長距離が得意なので、誰よりも走れないといけないということが自分の中である。チームで走りの練習とか、フィジカルの時とかは常に1位を狙ってやっています。グループで1位は当たり前なんですけど、他のグループのタイムもしっかりと聞いて、それを上回れるように意識しています」というこだわりの走り。その意識を高めたのは小中高とずっと1学年先輩にいた前主将のMF石田勇大の存在が大きかった。中学時代は坂本が上回っていた時期もあったというが「高校に入ったら(石田は)凄く走れていて負けられないと思った」。2日間で3試合目となった決勝はさすがに足が攣りかけた。まだ前主将には届いていないと感じている走力を「1番」にこだわって伸ばしていく。

「自分から声も出してキャプテンシーも大事なんですけど、プレーでチームを引っ張っていきたい」と坂本。これからもチームのために走って勇気づける。チームをプレーで引っ張って、次は「狙っている」という関東大会予選優勝を果たす。

(取材・文 吉田太郎)

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