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キャリア16年目で初の移籍を経験したF東京FW前田「すべてが新鮮」

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 サックスブルーのエースから、青赤のエースへ。プロのキャリアをスタートし、15シーズンを過ごしたジュビロ磐田を離れたFW前田遼一が、この日、青赤のユニフォームに身を包み、報道陣の前に姿を現した。

 移籍という決断を下すことに「かなり悩んみました。いろんな人と話をしましたが、最終的には自分で決ました」と明かした前田だが、最終的に決め手となったのは、「J1の舞台でプレーをしたい」という気持ちだったという。

 2009年、2010年に2年連続Jリーグ得点王に輝き、日本代表としても豊富な経験を持つストライカーに、マッシモ・フィッカデンティ監督も大きな期待を寄せている。「昨年のチームの課題として、ゴール前のチャンスを生かしきれなかったことがあります。そういった観点から、前田選手のような、非常に前線において重要な選手を獲得できました。ギリギリの試合では、彼のような経験値の高いFWが試合を決めてくれると思っています。昨年はJ2でプレーし、ケガにも苦しんだと聞いていますが、間違いなく現在はコンディションも整っていますし、彼の役割を果たしてくれると思っています」。

 監督からの期待について、「嬉しいですね。期待に応えられるようにしたいです」という前田自身、何よりも得点が求められていることを理解する。「チームが勝てるためにしっかり得点を獲ることが、一番の仕事だと思ってやっています」と言い、「あとチームを助けるために前線から守備をしたりということも、しっかりやっていきたいと思います」と攻守における貢献を誓う。

 すでにチームは始動したが、これまでと異なる環境でのシーズンスタートについては「すべてが新鮮。同じところが少ないくらい」と、やや戸惑いもあるようだ。それでも、ピッチ内で迷うことは少ないようだ。マッシモ・フィッカデンティ監督のサッカーを「本当にシンプルなサッカーという感じです。しっかり守って、速い攻めで点を取る」と分析する前田は、新たなチームメイトたちとのプレーにも、「良いクロスを上げてくれる選手もいますし、いろんなタイプの選手がいるので、そういう意味ではいろんなパターンで得点が狙える環境にあると思います」と、得点を狙いやすい状況にあるという好感触をつかんだ様子だ。

 これまで持っていたF東京の印象について、「サポーターのみなさんの迫力は、すごいなっていうのは外から見て感じていました」と言う前田は、「できるだけ多く獲りたい」と、自身のゴールでファン・サポーターを熱狂させるつもりだ。

(取材・文 河合拓)

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