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W・シドニーの一員として鹿島撃破の田中「サッカーの本質の部分で上回った」

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[2.25 ACLグループリーグ第1節 鹿島1-3ウェスタン・シドニー カシマ]

 不思議な感覚もあった。海外のチームの一員として日本のスタジアムでJリーグのチームと対戦する。右サイドバックでフル出場したウェスタン・シドニー・ワンダラーズのDF田中裕介は「初めての経験で、率直に言って楽しかった」と、敵地での白星発進に笑顔を見せた。

 後半9分、田中が右サイドからロングスローを入れると、ニアでそらしたボールをFWマーク・ブリッジがボレーシュート。これがDF昌子源のオウンゴールを誘い、先制点となった。その後、1-1の同点に追いつかれたが、後半41分にMF高萩洋次郎のゴールで勝ち越し、後半アディショナルタイムにもダメを押した。

「ラッキーな部分もあったけど、勝ちで終われたのはよかった。僕らはアウェーで勝ち点1以上がミッションだった。これ以上ない結果だと思う」。鹿島にボールを支配され、攻め込まれる時間もあったが、粘り強く我慢した。「攻められることに彼らはストレスを感じない」。そう口にした田中は「彼らじゃないですね。僕らです」と笑いながらも、「僕らは耐えることに慣れている」と胸を張る。

「技術的な面では鹿島が上かもしれないけど、球際や最後ゴールに入れるというサッカーの本質の部分で上回ったのかなと思う。スタイルも、やっているサッカーも違う。そのための準備をしてきたし、スカウティングもこれでもかとやった。鹿島は思ったとおりのチームだったし、それを上回れたのはよかった」

 技術だけではない球際の強さや勝負にこだわるメンタル面。ウェスタン・シドニーの一員として田中が感じた手応えは、日本のチームにいては味わえない経験だったかもしれない。

(取材・文 西山紘平)
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