[2.26 第29回デンソーカップチャレンジサッカー広島大会 北海道・東北選抜1-3関西選抜 広島第一球技場]

　第29回デンソーカップチャレンジサッカー広島大会が26日に開幕。昨年のファイナリスト、関西選抜は北海道・東北選抜を3-1で下し、2大会ぶりとなる優勝に好発進した。

　試合は開始早々に動いた。立ち上がりから前線からの積極的な守備と素早い攻守の切り替えを徹底した関西選抜が主導権を掴み、3分には左サイドをドリブルで仕掛けたMF刈谷聖哉(近畿大3年=近大附高)のクロスがPA内で相手のハンドを誘発し、PKを獲得。これを刈谷自らが冷静に決めて、先制に成功した。

　幸先の良いスタートを切った関西選抜はその後も、ボール奪取から手数をかけずに前線にパスを配球。相手に弾かれてもセカンドボールを高い位置で回収し、二次攻撃に繋げた。10分には右CKをDF井筒陸也(関西学院大3年=初芝橋本高)がヘディングで合わすも枠の外。14分には中央でボールを受けた刈谷が左に流れて、ゴール前にグラウンダーのクロスを展開。GKが足で弾いたボールをMF茂平(立命館大3年=大分U-18)が押し込んだが、相手DFの懸命なクリアに阻まれた。

　押し込みながらも、追加点が奪えない関西選抜だったが、試合展開としてはプラン通り。「大会前の練習試合をこなしたことで、お互いの特徴が合ってきた。それぞれの持ち味を出せればと思っていて、試合序盤は高さのあるFW岡佳樹(桃山学院大2年=東山高)にロングボールを入れて、試合が落ち着いて来たら速さのあるFW外山凌(阪南大2年=前橋育英高)を入れることが決まっていた」(井筒)。

　当初の予定通り31分に行われたこの選手交代が見事に的中し、35分には相手GKが足下で処理した瞬間を外山が素早くチェックに行くと、キックミスを誘発。高い位置で拾ったFW久保賢悟(びわこ成蹊スポーツ大3年=G大阪ユース)が「ボール止めた瞬間に狙っていた」と振り返る右足シュートがネットを揺らし、2点差で前半を終えた。

　後半8分にMF阿部太紀(札幌大3年=札幌新陽高)にゴールを許し、一点差に詰め寄られた関西選抜はその後もピンチを招く場面もあったが、リードを崩さず。28分には中央でインターセプトした途中出場のMF森俊介(関西学院大2年=東山高)からのパスで、ゴール前に抜け出した久保がGKとの1対1をループシュートで決めて、北海道・東北選抜を突き放すと、そのまま3-1で勝利した。

　好発進した関西選抜の目標は、井筒が「決勝まで行って全日本と試合がしたい。全日本にはチームメイトの呉屋(大翔)とか小林(成豪)がいるので、彼らに勝って優勝したい。また、この大会は日韓戦に行くための選考も兼ねているので、関西から一人でも多くメンバーに入ることが出来れば」と口にするように大会制覇のみ。気を緩めることなく、翌日の準決勝・九州選抜戦に目を向けた。

(取材・文 森田将義)

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