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[デンチャレ]2大会連続無失点Vへ王手、全日本が小林弾で関東Aを下す!!

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[2.27 第29回デンソーカップチャレンジ準決勝 全日本選抜1-0関東選抜A]

 第29回デンソーカップチャレンジサッカー広島大会2日目が27日に各地で行われた。全日本大学選抜は関東選抜Aに1-0で勝利し、決勝へ駒を進めた。28日に行われる決勝戦では2大会連続の無失点優勝をかけ、九州選抜と戦う。

 大会2日目に行われた試合の中で、最注目カードといわれていたのが、この日最後の試合となった全日本大学選抜対関東選抜Aの対戦だ。関東Aのメンバーには、FW藤本佳希(明治大3年=済美高)、MF北出雄星(専修大3年=三菱養和SCユース)、MF山根視来(桐蔭横浜大3年=ウィザス高)、MF古波津辰希(流通経済大3年=流通経済大柏高)、DF小口大貴(専修大2年=川崎F U-18)ら、過去には全日本に招集されたことのあるメンバーがずらりと並ぶ。

「どの選手も、もう一度全日本に入るために、必死になって向かってくるのはわかっていた」と、全日本の神川明彦監督。前日の試合では、東海・北信越選抜相手に4-0と快勝で今大会をスタートした全日本だが、そう簡単に勝たせてくれる相手ではない。

 このチームは、全日本選抜に勝つためにやってきたと言っても過言ではない」。そんな関東A・八城修監督の言葉どおり、試合は立ち上がりから関東Aがアグレッシブにゴールを狙う展開となった。開始早々の6分には、左サイドバックの関東Aの小口がイエローを受け、10分すぎにはその小口との接触プレーで全日本の右SB室屋成(明治大2年=青森山田高)が倒れ込むなど、序盤から両チーム激しいプレーが続く。

 全日本・神川監督は、関東Aの中でも特にFWの藤本とトップ下の北出を警戒。CBに同じ所属チームの山越康平(明治大3年=矢板中央高)と萩間大樹(専修大3年=川崎F U-18)を配することにより、「相手の抜け出しそうなところを、よく防いでくれた」。序盤こそ藤本ににシュートチャンスを作らせたものの、前半20分すぎには主導権を奪い返す。

 しかし、関東AもDF田上大地(流通経済大3年=流通経済大柏高)、DF今津佑太(流通経済大1年=流通経済大柏高)の“流経大柏高出身”コンビにCBを守らせ、同じ高校出身の全日本のエースFW呉屋大翔(関西学院大3年=流通経済大柏高)のゴールをシャットアウト。主導権を奪い返したあとは全日本の圧倒的な展開が続くも、最後のプレーで、ゴール前への抜け出しを許さない。

 そんな中、関東Aは同32分に北出の左クロスに、ゴール前に上がっていた田上があわせ、決定的なシーンを作るもののわずかに合わず。シュートは枠の上に。結局、前半は両チーム無失点のまま折り返すこととなった。

 後半も全日本ペースで試合はスタート。後半10分には今大会初スタメンのボランチMF差波優人(明治大3年=青森山田高)のパスを起点にFW和泉竜司(明治大3年=市立船橋高)が走り込みシュート。DFがブロックしたボールをMF長谷川竜也(順天堂大3年=静岡学園高)が狙うが、シュートはゴールを大きく逸れてしまう。

 後半18分にも和泉からのパスに呉屋が合わせる決定的なシーンが訪れるも、シュートはわずかにゴールを外れ得点ならず。次第に、全日本にゴールに直結するようなパスが生まれ始めたその矢先の同20分、右サイドでボールを奪取した室屋が、ゴール前にマイナスのクロスを入れる。ゴール前で一度スルーされたボールを、やや離れた位置から直接ゴールに突き刺したのが左サイドのMF小林成豪(関西学院大3年=神戸U-18)。

「練習でもよくやるパターンだった。ただ、いつも自分がシュートを外していたので、ようやく決められた」(小林)。神川監督も「珍しい」という小林のゴールで、ついに全日本が先制点をあげる。

 その後も、全日本は後半22分に和泉のクロスから差波、そして同30分に長谷川のドリブルから交代出場のMF中村慶太(流通経済大3年=流通経済大付柏高)がシュートを放つなど、惜しいシーンが続出。「正直、これだけボールの支配率に差が出るとは思わなかった」という展開に加え、「相当効いていた」という関東Aのボランチ、古波津が後半に入ってすぐの同13分に下がったので「ラッキーだった」と神川監督。追加点こそなかったものの、危なげない展開で関東Aの攻撃を寄せ付けずに1点を守り切り、2年連続の無失点優勝に向けて決勝戦への切符を手にした。

 「クロスボールの精度やゴール前での詰めの部分の甘さ」といった課題は残るものの、“打倒全日本”を掲げてきた関東A相手に「根負けせずによく頑張ったと思う」と、神川監督。初戦のような大勝ではないものの、チームが掲げる三原則、“球際”、“運動量”、“切り替え”の積み重ねを感じさせる試合展開で、決勝に駒を進めた全日本。

 決勝で当たる九州選抜は、縦に早く前線にボールを入れてくるチーム。昨年夏の韓国遠征では、同じようなタイプのチームで昨年唯一の敗戦を喫しているだけに、決して油断はできない。それでも「優勝することができなければ、(代表選手として)ユニバーシアードに行く資格はないと思っている」(小林)という強い気持ちで、今大会最後の試合に臨む。

(取材・文 飯嶋玲子)

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