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7か月ぶり公式戦復帰の山口蛍「90分間プレーできて良かった」

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[3.8 J2第1節東京V1-1C大阪 味スタ]

 右膝外側半月板損傷で昨シーズンの後半戦を棒に振ったMF山口蛍が、J2開幕戦で7カ月ぶりに公式戦に復帰。キャプテンマークを巻き、アンカーのポジションで90分間フル出場を果たした。セレッソ大阪のピッチにはやはり欠かせない男だ。

「やる前は不安があった。練習試合では90分間やってきたけど、公式戦はやっぱり違う。すぐにケガをしてしまったらイヤやなと……。90分間プレーできて良かった」と安堵の表情を浮かべた。

 昨年8月9日のJ1第19節F東京戦で右膝を負傷。経過を見ながら再検査したところ、負傷箇所の悪化が見られ、9月26日に手術を行った。全治3か月との診断。大黒柱の離脱は不調に苦しむチームにとってさらなるダメージとなり、最終的にJ2への降格が決まってしまった。

 1年でJ1復帰を目指すと決めて挑んでいる今シーズン。東京Vとの開幕戦は、良い流れをつかんで折り返した直後の後半2分に失点し、苦しい展開になったが、最後まであきらめず1点を返し、どうにか勝ち点1を手にした。

「結果を見れば引き分け。勝ち点3を取って帰りたかった。チャンスで決めないといけなかった」と反省の弁が口を突いたが、「10人になっても攻撃の姿勢を見せることができた。サポーターが大勢来てくれたことも力になった」と、手応えや収穫を感じているようだ。

 スタジアムには日本サッカー協会の霜田正浩技術委員長の姿もあった。代表監督就任が内定しているハリルホジッチ氏にも情報が届けられるはず。ただ、山口自身は「代表は目指さないといけないところだが、それはほとんど考えていない」と言う。

「以前で言えば、ヤットさん(遠藤保仁)や今野(泰幸)さんの場合は、ザックさんのチームで主力で呼ばれ続けているのがあったからJ2でも呼ばれたと思う。それは一つ例外的な部分もあったと思う。監督が代わって、しかもJ2から呼ばれるというのはかなり厳しい道のり。それを考えるより、まずチームとして上にいけるように考えること。それをやっていて、見てくれて呼ばれればありがたい」

 膝の状態もまだ完全ではなく、7、8割程度だ。「練習外の時間にプラスαで練習すると水がたまったり、腫れたりする」という。今は我慢しながら、J2で勝ち点を積み重ねていく時期。J1復帰にもつながる山口の復帰ロードが今スタートした。

(取材・文 矢内由美子)

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