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ドローとなるPK献上も前を向く山口蛍「後悔はない」

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[3.21 J2第3節 岡山1-1C大阪 Cスタ]
 
「90分を通して難しい試合になったし、自分たちのやりたいことができなかった。ミスも目立った」。セレッソ大阪のキャプテン、MF山口蛍は厳しい表情を浮かべた。

 開幕2連勝で波に乗る岡山に堅固な守備ブロックをつくられ、FWフォルラン、FWカカウ、FW玉田圭司の豪華3トップが前線で孤立。ボールを引き出す動きもなく、我慢の時間帯が続いた。

 攻撃が好転したのは後半。ハーフタイムにパウロ・アウトゥオリ監督から「前から行って、セカンドボールを拾っていくことをやろう」との指示を受けた選手たちは、前線から相手にプレッシャーをかけ、次第にペースをつかんでいく。

 先制点が生まれた後半3分だった。セカンドボールを拾った山口が右サイドのフォルランにパス。ドンピシャのクロスにMFパブロが右足で合わせ、ゴールネットを揺らした。

「そのシーンは監督が言っていたことがそのまま出た」と山口。パブロは「ディエゴ(フォルラン)は『顔を見たら動きが見えた』と言っていた。最高のボールが来た」と仲間を称えた。

 だが、その後に落とし穴が待っていた。相手の攻勢を受けていた後半38分分、ペナルティーエリア内で折り返しのパスをもらおうとしたFW押谷祐樹に対して、マークに付いていた山口が足を出したプレーがファウルとなり、PKを与えてしまったのだ。これを押谷に決められて1-1。手痛い失点だった。

 山口としても痛恨のPK献上。だが、彼自身は下を向いてはいなかった。

「僕は(ボールを)取れると思って行って、足を出しているところに相手が足でブロックしに来た。それがファウルなのかと……。でも、起きたことは仕方ないので切り替えていきたいし、レフェリーの判断に文句を言うつもりはない。ただ、僕は次に同じシーンがあっても、また行く。あそこは自信を持ってあのプレーに行ったから、後悔はない」

 23日からは日本代表合宿が始まる。「監督が替わってどうなるか分からないけど、監督が求めていることをできれば良いと思う。人数が多いので競争は厳しいと思うけど、僕自身のスタンスはアピールするというより、自分が出せる範囲のことを出すのが大事だと思っている。それができれば自然とアピールになると思う」

 J2開幕から3試合連続でフル出場し、コンディションについては「自分が思ったよりはいい」と話した山口。強気の姿勢を前面に出しながら戦っていく。

(取材・文 矢内由美子)

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