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自殺未遂を語る元U-21イングランド代表DF「恥じるべき話題じゃない」

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 元U-21イングランド代表DFでイングランド・プロサッカー選手協会(PFA)の会長を務めたこともあるクラーク・カーライル氏が昨年12月の自殺未遂について語った。『BBC』が伝えている。

 バーンリーやQPRでもプレーし、U-21イングランド代表にも選出されたことのある35歳のカーライル氏。2012-13シーズンにノーサンプトン・タウンFC(3部相当)で現役を引退すると、その後はPFA会長も務めた。会長時代には、QPRへの在籍当時に十字靭帯の断裂の大怪我をきっかけにうつ病を患うと酒に溺れ、薬物による自殺未遂を行った過去を明かし、自らの経験も踏まえ、サッカー選手の自殺とうつ病を取り上げたドキュメンタリー番組『サッカー選手の知られざる自殺』の制作にも関わり、同番組では進行役も務めた。

 しかし、カーライル氏は会長職からも離れた2014年12月22日に大型トラックの前へ飛び込み、自殺を図った。裂傷や打撲、内出血に加えて肋骨も骨折し、左膝は粉々になった。約1か月後にこん睡状態から覚め、入院生活を約6週間で終えることになったが、現在も精神疾患や自殺未遂による身体的な痛みを抱えているという。

 カーライル氏はこん睡状態から目覚めた後、英紙『サン』の独占インタビューに応じており、自殺未遂した瞬間については「ショルダーチャージするようにトラックへ飛び込んだんだ。あの衝撃は今でも覚えている。バン!となって……死んだんだ。どのくらいの間、気を失っていたかはわからない。長い時間ではなかったはずだよ。目覚めると、自分の手を確認できた。血が滴るようについていてね。『冗談だろ?!』って思ったよ」と振り返った。

 また自殺未遂を起こした理由については「死にたかったんだ。死ななければならなかった。それが完璧な答えだと思えたし、そうすることでみんなが幸せになるはずだった」とコメントしていた。

 自殺未遂直後の『サン』のインタビューから約1か月が経ち、ささやかな落ち着きを取り戻したカーライル氏。『BBC』の取材に応じると、自殺未遂の要因について、サッカー選手としてのキャリア後、経済的な問題を抱えたことから、重度のうつ状態になったことを告白。

「みんな、その話題についてはあまり触れないようにしていたよ。僕にとっては恥じるべき話題じゃないのにね」と言うと、「僕は自殺をしようとした。なぜならとても気分が優れなかったからだ」と話した。

 自殺未遂から生還した結果、現在は身体中に“問題”を抱えることになったというが「毎日、自分の精神上の問題をなんとかやりくりしようとしている」というと「今日はとても調子が良いよ」と加えた。

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