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[関東]シュート4本で2発の駒澤大が桐蔭横浜大下す、“ビタミン剤”となる勝利

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[4.5 第89回関東大学リーグ 駒澤大2-1桐蔭横浜大 駒沢]

 第89回関東大学サッカーリーグ戦1部・第1節の2日目が5日に各地で行われた。東京・駒沢オリンピック公園総合運動場・陸上競技場での第1試合では駒澤大桐蔭横浜大が対戦。シュート4本で2得点を挙げた駒澤大が2-1で勝利を収め、白星を獲得した。

 試合後、駒澤大の秋田浩一監督は「サッカーのゲームには負けたけど、勝負には勝った」と苦笑い。故障の影響で多くの主力選手を欠くなか、15本のシュートを浴びながらも最小失点に抑えた。指揮官は「あの内容からいえば、失点も仕方なかった。あそこで耐えて耐えてというのは、そのうち財産になっていく。今のうちのチームには、勝つのは“ビタミン剤”のようなもの」と勝ち点3を喜んだ。

 この日の一戦。立ち上がりから押し込まれると、決定機をつくれずに苦しい時間が続いた。それでもGK積田景介(4年=市立船橋高)が好セーブをみせ、ゴールラインを割らせない。前半30分過ぎからは怒涛の攻撃に耐え忍ぶ。サイドから攻め込まれたが、相手のシュート精度に助けられた。

 すると、ピンチの連続で迎えた前半終了間際アディショナルタイム1分。PA手前左で相手のハンドからFKを獲得。MF平野篤志(4年=大宮ユース)が蹴り込んだボールをゴール正面のMF吉岡雅和(3年=長崎総合科学大附高)がDFと競り合いながらも頭で叩き込んだ。前半を1-0で折り返した。

 迎えた後半も立ち上がりから、危ういシーンの連続。それでも積田が好セーブをみせるなど、相手のシュートはクロスバーやポストを叩く。すると、後半8分に守備一辺倒だった駒澤大が追加点。ドリブルで持ち込んだ平野のアシストからFW菊池将太(4年=浦和東高)が強烈なヘディングシュートを叩き込んだ。

 敵将・八城修監督は、この得点に「平野選手と菊池選手の特長が活きた素晴らしいシーンだった」と脱帽。駒澤大・秋田監督は「平野から菊池のところしか、点を取る方法がない。あとはセットプレー。それしかない。相手が分かっていてもそれでやるしかない」と話したが、まさにその“2つの武器”で2発を奪った。その後、終了間際に失点するも、2-1で逃げ切った。

 2アシストの平野は「少ないチャンスをゴールにできた。チームとしてまだまだだが、なかなか点が入らない中で最後まで粘ったというのは今までの練習があってのもの」と胸を張り、「内容よりも勝つためにと全力でやった。その結果、勝ててよかった」と微笑んだ。

 一方、桐蔭横浜大はシュート15本を打ちながら、わずか1点に終わっての敗戦となった。立ち上がりから果敢な攻撃。MF山根視来(4年=ウィザス高)を起点に仕掛けた。しかしゴールは遠い。前半31分からは立て続けに4度の決定機を迎えたが、いずれのシュートもゴールネットは揺らせなかった。前半終了間際には、PA手前での競り合いからセットプレーを与えると、この流れから失点。0-1で前半を折り返した。

 迎えた後半も果敢に攻め続ける。後半6分には山根からのパスを受けたMF松田大斗(3年=横浜FCユース)がPA内正面からシュートを打つも、ポストを叩く。跳ね返りに山根が詰めたが、相手守護神に止められた。

 すると2分後の後半8分には失点。0-2に突き放された。攻め込みながらもゴールが奪えない桐蔭横浜大。後半アディショナルタイム3分には左サイドから持ち込んだDF中島優(2年=青森山田高)のシュートはクロスバーを叩く。しかし直後のワンプレー。DF時田和輝(2年=流通経済大柏高)の浮き球パスをゴールを背に受けた中島が右足ボレーで叩き込んだ。意地のゴールを決めたものの、1-2で試合は終了。相手の4本を大きく上回る15本のシュートを放ったが、開幕白星はならなかった。

 試合後、八城監督は「駒澤大の方が大人というか、勝負どころで点を取ってくるのはさすがだった」と落胆。「前半の失点の部分と、点が取れなかったことがすべて。普通でいえば5、6本入ってもおかしくなかったが、相手のGKが素晴らしかった。それを上回れなかった」と唇をかんだ。

(取材・文 片岡涼)

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