beacon

U-18日本代表候補、昨年まで代表歴なしの“和製クリロナ”増山、CB渡辺が台頭

このエントリーをはてなブックマークに追加

 2017年のU-20W杯出場を狙うU-18日本代表候補で、昨年まで代表歴のなかった早生まれ選手たちが台頭してきている。東福岡高時代、相手の守りを破壊するような突破などによって“ヒガシのクリロナ”“和製クリロナ”と注目を集め、全国高校総体優勝を果たしているMF増山朝陽(神戸)は、前回の大分合宿で年代別代表候補合宿に初招集。ナビスコ杯で神戸のトップチームデビューも飾っている注目アタッカーは今回の神奈川合宿でも非常にキレのある動きを見せている。

 増山は「(代表は)自分が目指していた部分なので凄くモチベーション高くできている。パス&ムーブのところを意識しています。タッチ制限とか練習の中でスペース見つけることとか、クラブで言われていることを継続して意識してやれているかなと思います」。サイドに張る機会が多かったという高校時代から、現在はクラブでも、U-18代表でもインサイドでボールに関わる回数が増えているが、それをソツなくこなしいる印象だ。

 そしてボールを向いて前を向いた時や、連係から一気にスペースへ飛び出していく際の動きの迫力はやはり強烈。「自分の持ち味のところは監督も仕掛けろと言われているので、できるだけ前を向いて1対1の場面をつくるようにしています」と本人も持ち味を最大限に表現するつもりでいる。U-18代表では内山篤監督がキックの精度について選手たちに厳しく求めている中、増山は右サイドから精度の高いクロスを何度も放っており、その点にも期待が高まる。

 また、今回の神奈川合宿にはCB渡辺剛(中央大、山梨学院高出身)が初招集されている。山梨の強豪、山梨学院で2年時から主力を務める渡辺は代表入りを望む声が上がっていたが、日本高校選抜を経て待望の年代別代表候補合宿初参戦。「全然話もなくて突然呼ばれて・・・」と本人は驚きを隠さないが、日本高校選抜でも見せたエアバトルの強さと守備範囲の広さに対する期待値は大きい。3月末から行われた日本高校選抜欧州遠征でも手応えを掴んできている渡辺は「(海外相手でも)ヘディング、カバーとか自分の中で手ごたえがあった。代表でも出していければ、結果がついてくるんじゃないかと思う。ここに来たからには自分が出て自分が引っ張っていきたい。1本目でも2本目でもどこでも声出してチームをまとめていきたい」と語ったように、自身の武器を活かして生き残りを目指す。

 日本高校選抜の一員としてデュッセルドルフ国際ユース大会に出場し、海外の選手たちとの真剣勝負で学んだ経験はU-18代表でも活かすことができそうだ。「(海外の強豪チームの)相手は決定力があって(チャンスが)3本あったら3本決めてくる。そこを止めていかないといけない。自分たちが間合い詰めていると思っても相手にとっては詰め切れていない」。学んだことを意識して、しっかりと表現するつもりだ。

 U-18日本代表候補は神奈川合宿2日目の14日午後、フォーメーション練習や11対11を実施。渡辺はMF坂井大将(大分)やFW杉森考起(名古屋U18)らとともに主力組と言えるメンバーに入った。「みんな足下とか上手いけれど、自分は足下とかで戦う選手じゃない。高校サッカーっぽく、最後泥臭くというか、最後身体張れる選手が欲しいと思うので明日(15日)出せるようにします」。U-18日本代表候補は合宿最終日の15日、日本体育大と練習試合を行う。台頭してきている注目選手たちはここでアピールして今後に繋げる。

[写真]キレのある動きでアピールした増山(右)

(取材・文 吉田太郎)

TOP