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[プレミアリーグEAST]「プレミアの厳しさ」味わった復帰初戦、その反省活かしたF東京U-18が流経大柏に4-0快勝

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[4.19 高円宮杯プレミアリーグEAST第2節 流通経済大柏高 0-4 F東京U-18 柏の葉]

 高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯U-18サッカーリーグ2015 プレミアリーグEASTは19日、第2節を行い、ともに初戦黒星スタートだった流通経済大柏高(千葉)とFC東京U-18(東京)との一戦は、MF佐藤亮(3年)のハットトリックの活躍などによって4-0でF東京が快勝した。

 初戦で青森山田に競り負けたショックを引きずっていた部分もあったという流経大柏。「(それは)過信でね」と指摘した本田裕一郎監督はコンディション面の悪さと個のレベルの違いについても口にしていた。そして指揮官が「まず上手にボールが取れないのがあるし、両サイドが機能しない。原因はいろいろあったと思うんですけど、システム変えても全然機能しないし。2試合続けて悪いんですよ」と首を傾げた流経大柏に対し、F東京は鹿島ユースに一瞬の隙を突かれて敗れた開幕戦から佐藤一樹監督が「(プレミアリーグは)隙を見せたらやられるんで、そういった意味ではトレーニング、オフ・ザ・ピッチのところからそういったすべてのところにこだわる。挨拶もそうだし、自分のロッカー周りもそうだし、全てがサッカーに繋がっている。そういう甘さが初戦の失点みたいなミスを生むんだぞと。ピッチ上でのトレーニングの雰囲気とかもしっかり締めないと、それがそのまま出るよという話をして」練習、この試合に臨んでプレミアリーグ復帰後初白星を飾った。

 F東京は11年以来となるプレミアリーグ挑戦だ。「(鹿島ユース戦は)プレミアっていう独特なプレッシャーに負けてしまった部分が凄くあると思います。もうちょっと躍動できるかなと思ったけれど、プレミアの重圧にちょっと本来のパフォーマンスを個人もチームも出せなかったのがあった」と佐藤監督が振り返る復帰初戦。だが、「プレミアの厳しさ」を体感したことで間違いなくチームの意識は高まった。この日は2-0で迎えたハーフタイムにも選手同士が熱い意見交換。MF佐藤が「(初戦の黒星で)チームとして少しピリッとしたというか、プレミアは甘くないんだなとみんな感じたと思うし、だからこそきょうの試合は入り良くできたんじゃないかと思います」と話したように、F東京に隙はなかった。

 立ち上がり、流経大柏はスペースへ飛び出すFW高橋秀斗やFW松本雅也(ともに3年)を起点とした攻撃からMFジャーメイン・アレックス(3年)や高橋がシュートへ持ち込む。その後も高橋のロングスローなどからゴールを狙う流経大柏だが、DF柳貴博(3年)が「流経はやっぱり競り合いとかセットプレーが強いので、そこで自分たちが負けたら流経のペースになってしまうので、そこはしっかりしていかないといけないと。(ロングスローなどにも)対応はギリギリなんですけど、できたと思います」と語ったF東京はいずれもエアバトルで強さを発揮する柳、DF渡辺拓也主将(3年)、DF岡崎慎(2年)の3バックが空中戦に自信を持つ流経大柏に負けずに跳ね返すと、前線からの連動した守備もハマり、相手の最終ラインからのパスをMF安部柊斗(3年)らが何度も引っ掛けてチャンスに繋げる。

 ワンツーから佐藤が左足シュートを放つなどシュートシーンを増やしたF東京は22分、MF小山拓哉(3年)が左サイドのFW大熊健太(3年)へつなぐと、大熊は「練習でクロスの形を何回もやっていたので、だいたいこのくらいに上がればいいかなという感じで。あまり中も見ずに」左足でクロスを放り込む。「練習通り」の形でファーサイドに飛び込んでいたのは10番・佐藤。フリーで合わせたヘディングシュートが「練習通りで良かったです」(大熊)という形の先制ゴールとなった。

 リードを奪ったF東京はその後も大熊のアイディアあるポストワークから佐藤が抜け出し、また中盤から飛び出した安部が決定的なチャンスを迎えるなど流経大柏の守りを攻略。対する流経大柏は34分にスピーディーなパスワークから、MF中村翼(2年)が1タッチで右足シュートを放つ。流経大柏は後半開始から3人を入れ替えて流れを変えようとしたが、F東京は5分に再びクロスから得点を奪う。

 中央から左サイドへ展開すると、小山のグラウンダーのクロスを佐藤が合わせて2-0。流経大柏は4バックから3バックへスイッチしてリスクをかけて攻めに出たが、逆にカウンターからフィニッシュにまで持ち込むF東京は21分、インターセプトからDFを剥がして前進した安部が右サイドへスルーパスを送る。これを佐藤が中央へ入れると、大熊が左足ダイレクトで合わせて3-0とした。

 そして31分には左サイドから切れ込んだ小山の折り返しを佐藤が左足で沈めてハットトリック達成。終盤にもビッグチャンスを連発したF東京に対し、流経大柏はFW織田敦暉(3年)のロングスローからFW木村稜斗(3年)が左足シュートを放つシーンもあったが、最後まで隙を見せなかったF東京から1点を奪い返すことはできなかった。勝ったF東京の安部は「初戦負けているんで次節は勝とうとみんなで意気込みを話し合ったので強い気持ちで勝ちに行きました。まだ2節なんですけどきょう良い試合ができたので、来週ホームですし、しっかりと一週間やっていきたいです。(目標は)チャンピオンシップに出て優勝です。去年は夏(クラブユース選手権)準優勝で終わって、Jユースも3位だったんですけど、自分たちの代でしっかりと優勝を狙っていきたいです」と誓った。「危機感バリバリで試合に臨んだ」(佐藤監督)という流経大柏戦で快勝。いい形の勝利で再スタートを切ったF東京が連勝を果たすために次節へ向けてまた、しっかりと準備する。

[写真]後半5分、F東京U-18は佐藤がこの日2点目のゴール

(取材・文 吉田太郎)
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