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出場3分で決勝弾! 大宮MF渡邉大剛「限られた時間の中で結果を出すしかない」

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[4.26 J2第9節 大宮2-1水戸 NACK]

 今シーズン、J2で戦っている大宮アルディージャだが、その選手層の厚さをまざまざと見せつける試合となった。前半30分に先制点を許したが、後半27分にMF泉澤仁を起用して同点に追い付くと、さらに34分にはMF渡邉大剛を投入。泉澤との連係プレーから、渡邊の決勝ゴールが生まれた。

 ベンチスタートだった渡邉は「今日は(チームの出来が)良くなかった。ピッチの中にいた選手もそうだったと思いますが、もどかしい気持ちで試合を見ていました」と話し、ベンチでは、自分が起用されたときに、どうやって相手を崩すかを考え続けていたという。

「アップをしながら、どこが空いているかなとか、いろいろ考えていました。後半に入ったら相手が引いて、自分たちは押し込めていましたが、相手は『クロスを上げられても中で跳ね返せばいい』という感じがあったと思います。高さでは、そんなに分が良くないと思っていたので、中央のコンビネーションが欲しいなと思っていました」

 決勝ゴールは、その形だった。左SHの泉澤がボールを持ったとき、渡邊は泉澤に寄って行き、パスコースをつくった。ボールを受けると、1タッチで水戸の守備網の間を通す。リターンパスを受けた泉澤のシュートがクロスバーを叩いたところを、ゴール前に詰めた渡邊が押し込んだ。

「(ボールを持った泉澤が)ワンツーを狙っているイメージがありました。相手が引いていたので、簡単には通らないだろうという気持ちもありましたが、『取られてもいい』というか、思い切ってというか…、自分の技術を信じて、ダイレクトでリターンパスを出しました。それが通って、得点につながったかなと思います」

 スコアレスドローとなった岡山戦ではPKを失敗。それだけに、この日の決勝ゴールに対する喜びも大きいのかと思われたが、「(PKは)もちろん決めたかったけれど、外すときもあるので仕方ないかなと」と、割り切れていたという。それでも、「いろんな思いがありますけど」と認める渡邉は、「自分としては限られた時間の中で、結果を出すしかない。このゴールで報われたとは思わないですけど、チームが勝つことができたので、それは一番」と、勝利に貢献できたことを喜ぶ。

 もちろん、渡邊も先発出場にこだわる気持ちは強い。だが、同時に途中出場することの重要性、そして責任も感じ取っている。

「ベンチワークはすごく大事だし、途中から出て来て流れを変えるとか、仕事をするとか、勝っている状況であれば、しっかり相手を抑えるとか、そういうことも大事だと思う。今日もベンチ入りできずに、スタンドから見ていた選手もいる。そういう選手にしっかりと示すことが大事。『これならオレが出た方が良い』と思われたら良くない。みんなプロだから『自分が出た方が良い』と思っているけど、結果で示すことが大事だと思うので、しっかりとやっていくことが大事だと思います」と、言葉に力を込めた。

(取材・文 河合拓)
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