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[プレミアリーグEAST]王者の攻撃凌いだ青森山田、三上先制弾と神谷「スーパーな」FK弾で開幕3連勝!

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[4.25 高円宮杯プレミアリーグEAST第3節 柏U-18 1-2 青森山田高 柏]

 高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯U-18サッカーリーグ2015 プレミアリーグEASTは25日と26日に第3節を行い、昨年優勝の柏レイソルU-18(千葉)と青森山田高(青森)との一戦は青森山田が2-1で勝利。青森山田が開幕3連勝を飾った一方、柏は2分1敗で開幕から3戦未勝利となった。

 開幕2連勝、勝ち点6でアウェー・日立柏サッカー場へ乗り込んだ青森山田。昨年は前期9試合で勝ち点6に終わっていたチームに対し、黒田剛監督は「『ここからスタートだぞ』『今で10位だ』って。ここからいくつ貯金できるかだと思うという話はした」という。その青森山田がまたもや勝ち点3を青森へ持ち帰った。

 試合の大半の時間帯でボールを握っていたのは柏だった。青森山田にとっては我慢の展開。だが、黒田監督が「どんな時でも頑張って剣を持ち続けろと言っている。チャンスどころは一気に行け、どんな時でも相手のボールを奪うとかということも含めて、剣をかざして前に出ないといけない時に、共有していかないといけないという話をしている」という青森山田はボールを奪って攻撃に移った際には“抜いた剣”でビッグチャンスをつくり出す。先制点は前半9分だった。カウンターからMF豊島祐希(3年)が右サイドを一気に駆け上がる。そして中央へ入れたグラウンダーのパスをニアのMF高橋壱晟(2年)がスルー。中央で受けたMF三上孝太(3年)が得意の左足を振り抜くと、ボールはゴールへと吸い込まれた。

 対して下平隆宏監督が「いかにしてボールを持てるか、攻撃をし続けるか、今週は攻撃のところだけやっていた」という柏は12分に左サイドを突いたMF山崎海秀(3年)の折り返しからFW浮田健誠(3年)がシュート。30分には浮田の左足ミドルがゴールを襲った。失点しても慌てることなく、自分たちのリズムで攻撃する柏はショートパスを繋いで、繋いで青森山田の守りに穴を開けようとする。特に優位に立っていたのが左サイド。序盤からスピードと突破力を示していたFW伊藤達哉(3年)がビッグチャンスに絡む。35分には左サイドを突いた山崎からのパスを受けた伊藤が中央へ切れ込んでポスト直撃の右足シュート。柏は39分にもゴール前の混戦からMF下澤悠太(3年)が決定的なシュートを放つ。そして後半2分にも左サイドから切れ込んだ伊藤のスルーパスに反応した浮田が決定的な左足シュートへ持ち込んだ。

 だが、青森山田はGK廣末陸(2年)がピンチを救う好セーブを見せ、ともに188cmのCB常田克人とCB近藤瑛佑(ともに3年)のコンビも攻略されることなく粘り強く守り続ける。そして左サイドではチームを鼓舞する左SB北城俊幸主将(3年)がその責任感の強さを表現するようなハードワークと球際での厳しい守りを披露した。5分に右SB熊川翔(3年)のクロスから伊藤がゴールへ押し込んだシーンがオフサイドの判定でノーゴールとなった柏に対し、青森山田は8分に敵陣PA外側でFKを獲得する。このチャンスで10番MF神谷優太(3年)が右足を振り抜くと、鮮やかな弧を描いた一撃はゴール左隅へ吸い込まれた。

 今冬、東京Vユースから青森山田へ加入した注目の10番が決めた歓喜の一撃。ガッツポーズを繰り返して喜んだ神谷は「監督にもFK期待されていて練習していた。(元々)得意でしたけれど、まだまだ実力が足りなくて、練習終わった後に50本とかずっと蹴ったりしていた」。柏の下平監督も「スーパーなFKが予想外でしたね。(青森山田は)FK、ロングスロー、CKが得意でそれを与えないように取り組んできた中でファウルを与えたのはこっちのミスでもある」と振り返る一撃が青森山田を大きく勝利へと近づけた。

 それでも柏は後半22分、左SB古賀太陽(2年)のクロスのこぼれ球を伊藤が右足シュート。DFに当たってこぼれたところをMF大谷京平(2年)が押し込んで1点差とした。柏は直後に10番FW白川恵士朗(3年)を投入。右サイドにも突破口を加えた柏は26分に伊藤、30分にも浮田がシュートへ持ち込むなど同点へ向けて勢いを増す。だが青森山田は我慢するだけでなく、前線でボールを収める神谷を起点とした攻撃などからシュートを打ち返す。36分には左サイドから攻撃参加した北城のパスを受けた神谷がポスト直撃の弾丸ミドル。柏は執拗に攻め続けていたが、勝利への執念を見せる青森山田の守りを最後まで破ることができず。青森山田が敵地で勝ち点3を獲得した。
 
 青森山田は昨年の前半戦、勝負どころでの失点が多く、9試合で17失点。だが、後半戦は9試合をわずか6失点で終え、4勝3分2敗の成績を残した。黒田監督は「去年は後半、失点6だったんでそこを倣って、(今年の前半戦は失点)5を目指している」という。ここまでの失点数は3試合で2。残り6試合で3は厳しいノルマだが、それをやり切った時、青森山田は首位争いを演じたまま前半戦を終えているはずだ。

[写真]後半8分、青森山田は神谷が直接FKを決めて2-0

(取材・文 吉田太郎)
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