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3得点の息子に触発、広島FW佐藤「負けられないと思った」

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[4.29 J1第1ステージ第8節 横浜FM 1-2 広島 日産]

 自身にとってのラストプレーだった。1-1で迎えた後半21分、サンフレッチェ広島のベンチ前には、FW浅野拓磨が準備している。FW佐藤寿人にも、その姿は見えていた。

 右サイドで得たFKのチャンス。佐藤は「交代が見えていたので、最後のワンプレーだなと感じましたし、今日もゴールが取れないのかと90パーセントくらいは思いました」と開幕戦以来となるゴールは今日もお預けかと頭をよぎったとしながらも、「ただ、残り10パーセントを信じて、『ここで来い』と思っていた」と強い気持ちを持ってゴール前でボールを待ち構えていた。

 MF柴崎晃誠が蹴り出したFKのこぼれ球に反応したDF水本裕貴がシュートを狙う。「ミズが難しい体勢で打っていたので、逆サイドに流れてくるかなと思って準備していました」(佐藤)。水本のシュートはGK榎本哲也に阻まれたものの、こぼれ球に反応した佐藤が左足で蹴り込んで決勝ゴールが生まれた。

 この試合を迎えるに当たって、佐藤には息子からうれしい報告が届いていたようだ。「今日は息子が広島でサッカーをしていて、『3点取ったよ』という報告を受けていたんです。だから、負けていられないと思っていました」と明かし、息子同様に結果を残したことに充実の表情を見せたが「ただ、数字では負けてしまいましたね」と苦笑した。

「素直にうれしいです」と開幕戦以来となる今季2点目に喜びを表すと、「ただ、もっと取らないといけないといけないと思っています」と表情を引き締め、今後のゴールラッシュを狙う。

(取材・文 折戸岳彦)
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