beacon
TOP > NEWS > 記事詳細

「NIKE MOST WANTED」初日、“日本代表”2名はスキルや球際でアピールした一方で苦戦も・・・

このエントリーをはてなブックマークに追加

 若き日本人プレーヤーの世界挑戦が始まった。世界で戦える若き才能を発掘する世界的なスカウトプロジェクト、「NIKE MOST WANTED」グローバルファイナル(イギリス)が現地時間1日午後に開幕。国内予選を勝ち抜いた“日本代表”のMF渡邊凌磨(前橋育英高→早稲田大)とMF渡辺柊斗(東海学園高→東海学園大)がフィットネステストや約1時間のフィールドメニューに参加した。世界21か国・地域から34名が参加して、イングランド代表の本拠地であるセント・ジョージズ・パークで開催されている「NIKE MOST WANTED」グローバルファイナルは3日まで。計3日間のセレクションによって評価を勝ち取った選手が約6か月間のエリートトレーニングや欧州プロのスカウトの機会を得られる「ナイキアカデミー」入りの権利を獲得する。

 渡邊凌が「自分の通じる、一緒にできるプレーとかが日本と違ってくる。相手に対してどういうものを要求するとかも英語がしゃべれない分、ジェスチャーとかで伝えていかないとダメだと思ったし、もっともっとアピールというところで貪欲にやっていかないといけないのかなと思います」と語り、渡辺柊も「コーチの言っていることとか、チームメートが言っていることとか分からないので、コミュニケーションが全然取れないけれど、まず自分のプレーで、自分がどういうプレーヤーなのか分かってもらえるようにしたいです」と課題を口にした。ほとんどが英語のコーチングで行われる中、2選手は苦戦。それでもナイキアカデミーの最高責任者であるジョン・グッドマン氏たちの印象に残るプレーも見せた初日だった。

 開会セレモニーの後に実施されたフィットネステストではアジリティ(矢じりダッシュ)で渡邊凌がナイキアカデミー選手の平均値を上回るタイムをたたき出せば、同組の16名で行われたシャトルランでは渡邊凌と渡辺柊が揃って完走した3名の中に入った。

 そして、高緯度に位置している関係でまだまだ陽の高かった午後7時から始まったフィールドメニューでは、6対2のポゼッションやゴールを6か所に置いた5対5でボール扱いの巧さ、クイックネスでアピール。U-17W杯や日本高校選抜の欧州遠征で外国人選手と戦っている渡邊凌は「ドリブルだったり、ボールコントロールという部分では負けないと思うので、それに加えてフィジカルの部分はもっとプラスアルファを出していかないといけない」と満足していなかったが、外国人に比べて小柄で線の細い渡辺柊が「重心も低いし、球際も上手いし、しっかりボールを取った時に力強く動くことができていた」(グッドマン氏)という評価を得るなど、2人とも大柄なライバルたちに球際の戦いで負けることなく、動きの良さを見せていた。
 
 本人たちも自覚していたように課題はコミュニケーションの改善やサッカー感の違いを埋める部分。この日、5対5は渡邊凌、渡辺柊は同じチームでプレーしていたが、序盤は対戦相手とのまとまりの差が顕著に見られて、攻撃でのミスが続き、またボールが奪えずに苦しい戦いを強いられていた。それぞれキープ力の高さを自らのプレーで示してボールが集まるようにすると、インターセプトした渡邊凌のスルーパスから渡辺柊が右足でシュートを決め、渡邊凌がシュートセンスの高さを、また渡辺柊が鋭い切り返しでDFのマークを外す動きを見せるなど後半は自分たちの良さを随所で出していた。

 だが、短期決戦のセレクションでは生き残るためには連係面、チームメートに良さを引き出してもらうことも重要。渡辺柊は「最後の方は自分も慣れというか、外国人との慣れというのが出てきたんで凄くやりやすくはなったんですけど、それを最初からやれるようにならないといけない。あすは最初から出して行きたい」。渡邊凌も「(ヨーロッパの選手の動きなどを把握して)もうちょっとアピールしていかないといけない」と気を引き締めていた。

 リーダーシップを発揮しつつ、球際で非常に激しいプレーを見せていたMFキム・ジェヒョン(イギリス登録)や抜群のスピードなど身体能力の高さを随所で発揮していたFWマヌエル・カランビ(ドイツ)らライバルは多数。渡邊凌、渡辺柊の2人のボールスキルの高さはともに参加者の中でトップレベルにあるだけに、この日学んだことを改善して残りの2日間、自分たちの最高のプレーを出す。そしてグッドマン氏が「3日間の間に技術、戦術、肉体、それと性格とか個性も見て行きます。一個良くても、それはそれでもいいんですけど、十分ではないと思います。ひとつ飛び抜けて全般的にいいというのがアカデミーの求められるところです」という合格ラインのプレーを見せて、日本人初のナイキアカデミー入りを果たす。

(取材・文 吉田太郎)

TOP