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FKで1ゴール1アシストの太田「武藤に全部持っていかれた弾」

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[5.2 J1第1ステージ第9節 F東京2-1川崎F 味スタ]

 正確無比な左足でFKから1ゴール1アシストを記録した。1点ビハインドで前半を折り返したFC東京は後半26分、DF太田宏介の直接FKで同点に追いつくと、同42分に太田の左FKからFW武藤嘉紀が決勝ヘッド。2-1の逆転勝利で多摩川クラシコを制した。

 予感があった。後半26分、武藤が右45度の位置でFKを獲得すると、ボールをセットした太田の視線の先には清水時代にチームメイトだったGK西部洋平がいた。「西部さんの特徴は分かっているし、間合いと駆け引きで絶対にニアに動く確信があった」。狙い澄ましたキックはファーサイドのゴール左隅に吸い込まれ、西部は反応できなかった。

「蹴る瞬間、間接視野で(西部の)重心が傾くのが見えた。蹴る方向は最初から決めていたけど、(壁に)当たらなければ、絶対に入ると思った」。太田の2試合ぶり今季2ゴール目で同点に追いつくと、一気にたたみかけた。

 そして迎えた後半42分、やはり武藤が左サイドの敵陣深くでFKを獲得。ゴールライン際から太田が上げたキックに武藤がニアサイドへ飛び込み、ヘディングシュートを叩き込んだ。劇的な決勝点。FKで1ゴール1アシストを記録した太田は紛れもなく逆転勝利の立役者だった。

 ところが、試合後のヒーローインタビューは決勝点の武藤。「1ゴール1アシストでヒーローインタビューは僕かなと思っていたけど、広報の人が武藤のところに行ったので、『それはそうだな』と」。そう冗談交じりに語った太田は鮮やかな直接FKでのゴールを自ら命名するよう報道陣に頼まれ、「武藤に全部持っていかれた弾」と即興で答え、報道陣を笑わせた。

 ちなみに、このコメントを伝え聞いた武藤は「(太田)宏介くんの素晴らしいFKと自分へのアシストがなければ、逆転できていなかったし、今日は自分ではなく、宏介くんがMVPだと思う」と、こちらも“100点満点”の回答だった。

(取材・文 西山紘平)

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