[5.3 J2第11節 千葉 3-0 横浜FC フクアリ]

　男はフリーで待っていた。前半17分のCKの場面。ジェフユナイテッド千葉のDF金井貢史はPA内にひょっこり現れると、横浜FCの選手に気付かれることなく先制点となるゴールをネットへと突き刺した。

　スカウティングどおりだったと金井は振り返る。「最初はニアの方にいたんですけど、スカウティングであそこの位置から入って行けば、フリーになると分かっていました。うまく走り込めたかなという感じです」とニンマリ。そして、ドンピシャのボールを送ってくれたDF中村太亮に対して、「本当にボールが良かった。僕は当てるだけでした」と感謝を示している。

「早い時間帯に取れたので、試合展開も楽になりました」と話したように、この先制点がチームに勢いをもたらし、その後2点を加点した千葉は3-0の完封勝利を収めた。

　これで金井がここまで得点を決めた試合は、3試合すべてが完封勝利となった。本人は頬を緩めながらも、「先制して守り切るじゃないですけど、うまく守りながら追加点も取れていて、ディフェンスとしてはリスクを冒さずにやれていると思います。前の選手は守備も頑張ってくれているし、点も取ってくれているので、完封で勝てているのは全員のおかげですよ」とあくまでチームメイトのおかげだと強調した。

　この日の勝利で磐田をかわして2位に浮上。しかし、金井は表情を緩めない。「今、現在の順位よりも、シーズンが終わったときの順位が大事です。一戦一戦しっかり戦って、ハードワークを続ければ結果はついてくると思うので、一年間、仲間を信じて戦っていきたい」。悲願のJ1昇格に向けて、頼れる仲間とともに走り続けると決意を表した。

(取材・文　折戸岳彦)

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