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MF渡邊凌磨が「NIKE MOST WANTED」勝者に!日本人初のナイキアカデミー参加権利獲得!!

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 世界で戦える若き才能を発掘する世界的なスカウトプロジェクト、「NIKE MOST WANTED」グローバルファイナル(イギリス)は現地時間3日午後、イングランド代表の本拠地であるセント・ジョージズ・パークで開催された閉会セレモニーで勝者6人を発表。MF渡邊凌磨(前橋育英高→早稲田大)とMF渡辺柊斗(東海学園高→東海学園大)の“日本代表”コンビからは渡邊凌が勝者としてコールされ、日本人として初めて、セント・ジョージズ・パークでの約6か月間のエリートトレーニングや欧州プロのスカウトの機会を得られる「ナイキアカデミー」入りの権利を獲得した。

 21か国・地域から34名が参加して5月1日から行われた最終セレクション、グローバルファイナルは3日に11対11を実施。「NIKE MOST WANTED」に参加者でそれぞれ編成されたAチーム、Bチーム、そしてナイキアカデミーチームの3チームが巴戦で45分間1本のゲームをそれぞれ実施した(Aチーム対Bチーム戦のみ40分間ゲームで終了)。

 “日本代表”の渡邊凌と渡辺柊が入ったAチームは初戦でナイキアカデミーと対戦。ナイキアカデミー入りするためには彼らを上回るパフォーマンスをすることが最もアピールになるだけに気合十分だったが、Aチームは開始3分にクロスから簡単に失点してしまう。それでも左MFに入った渡邊凌が6分、11分に敵陣での仕掛けからFKを獲得。MFキム・ジェヒョン(イギリス)もドリブル突破でFKを獲得するなどセットプレーのチャンスを掴んだ。

 だが、最終ラインからのビルドアップで何度もミスが出てしまうAチームは13分にもCBがボールを失って0-2。Aチームはなかなかいい形でボールを前へ進められない状況だったが、日本人2人の技術が攻撃回数を増やしていく。ボールの出てこない右サイドから意図的に中央へ動いて攻撃に絡もうとした渡辺柊が2度のワンツーで中央突破してFKを獲得。そして左足のクロスボールでゴールを脅かすと、絶妙なタッチのトラップと判断の速いパス、突破力を見せる渡邊凌はチームがサイドへ追い込まれてもキープ力と精度の高いキックでプレッシャーから解放するなどチームの拠り所になっていた。

 渡辺柊が22分に交代した後の24分にもAチームは右クロスから失点。それでもAチームは渡邊凌のアシストから1点を返す。28分、左サイドでのパス交換でPA左外側までボールを運んだ渡邊凌がじっくりと溜めてからDFのギャップを突くパスをPA方向へ通す。渡邊凌の前方から連係良くPAへ走り込んだFWマキシム・ボイチュク(ロシア)が右足一閃。これがゴール右隅へと突き刺さった。

 Aチームは31分にアーリークロスから再び失点。35分には1分前に再出場していた渡辺柊が敵陣で相手のミスパスを引っ掛けてビッグチャンスを迎えるが、パスのタイミングを逸して仕掛けたところを奪い返されてしまう。39分に渡邊凌が交代した後も渡辺柊は距離感ぴったりのスルーパスでチャンスメークするなど奮闘。AチームはMFミカエル・バロウ(フランス)がボランチ、CBで身体能力の高さを見せるシーンもあったが、ナイキアカデミーに1-4で敗れた。

 続いてBチーム対ナイキアカデミー戦は9分にBチームのFWセルジオ・ガレアーノ(コロンビア)が決定的なシュート。またBチームはGKティム・オリバー・ヘイマー(ドイツ)のビッグセーブによって0-0で試合を進めた。だが19分、21分に連続失点。右サイドで存在感放つFWサンティアゴ・フェイラッシアー(スペイン)がチャンスメークをしたが、ナイキアカデミーが2-0で勝った。

 そしてAチームとBチームが激突したラストマッチ。Aチームの左MFとして先発した渡邊凌がいきなり魅せる。寄せて来るDF2人を鮮やかなボールタッチでかわして決定的な右足シュート。15分にも絶妙なファーストタッチでDF2人を置き去りにした渡邊凌は18分にも絶妙なコントロールでDFを振り切ると、左サイドを前進してからアーリークロスを通す。この決定機はFWがGKをかわしながらも決めきれなかったが、渡邊凌は豊富な運動量含めて29分までのプレーで十分なインパクトを残した。

 また21分から38分まで右サイドでプレーした渡辺柊も非常に積極的な姿勢でゴールへ迫る。31分にはバイタルエリアでボールを受けるとターンでDFを外して利き足と逆側の右足で決定的な一撃。強烈なシュートはGKに阻まれて得点を挙げることはできなかったが、何とかボールに絡んでアピールしようとしていた。Aチームは31分に左CKのこぼれ球をFWデビッド・ブラウン(ニュージーランド)が左足で決めて先制。Bチームもフェイラッシアーが決定的なクロスを入れていたが、逃げ切ったAチームが1-0で勝ち、日本人2選手は勝利に貢献してセレクションを終えた。

 ファイナルマッチの後、渡邊凌は「点を取っていないんで自分のアピールポイントは出せなかったので次に生かせればと思います」と語っていたが、46人のプロ選手を輩出しているナイキアカデミーへ見事合格。年代別日本代表、日本高校選抜で活躍してきた注目MFが海外でプロとして活躍するという目標へ一歩前進した。

(取材・文 吉田太郎)

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