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[関東]慶應義塾大が首位・明治大を撃破!!1-0プラン崩れるも、全員守備で白星勝ち取る

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[5.3 関東大学1部リーグ・第6節 明治大1-2慶應義塾大 青木町]

 JR東日本カップ2015 第89回関東大学リーグ戦1部の第6節が3日に各地で行われた。第2試合では首位明治大と4位慶應義塾大が対戦。慶應義塾大が2-1の逆転勝利を果たし、4戦ぶりの勝ち点3を手にすると2位へ順位を上げた。一方の明治大は、これで3戦勝ち無し。首位から4位へ後退している。

 明治大は全日本大学選抜DF山越康平(4年=矢板中央高)が右膝半月板を痛めている影響で不在。慶應義塾大は開幕から左足首捻挫で離脱していた主将のDF久保飛翔(4年=済美高)がようやく練習へ復帰するも、2日前の練習でシュートが頭へ当たり脳震盪。来季ファジアーノ岡山入りの内定しているDFは、大事を取る形で欠場した。

 互いに試合前のプランは1-0での勝利。なかでも慶應義塾大は、ラスト15分で勝負をかけるまでは、「中を固めて、素早くカウンター」というプランだったという。結果的に前半を終えて1-1と双方の思惑は崩れたが、それでも最後に笑ったのは慶應義塾大だった。須田芳正監督は「明治さんの10番(和泉)と11番(藤本)はトップクラス。裏への抜け出しは脅威。差波くんのパスも、SBのオーバーラップも全てがトップクラス。だからこそ攻めさせた」と振り返る。

 立ち上がりから攻め込む明治大だが、何かが噛み合わない。バイタルエリアまでボールをつけるも最後の精度を欠き、ゴールネットは揺らせない。細かくボールを動かすものの、慶大守備陣へ跳ね返され、守備で終われなかった。一方の慶應義塾大は、5バック気味での守備を徹底。左足首を痛めるDF宮地元貴(3年=東京Vユース)とDF望月大知(3年=静岡学園高)を中心に身体を張った。

 それでも試合は前半から動いた。前半27分、左サイド遠目の位置からのFK、MF端山豪(4年=東京Vユース)が蹴り込んだボールを最後は望月がヘディングシュート。惜しくもポスト左へ外れる。すると直後に明治大がセットプレーを獲得。左CKからMF差波優人(4年=青森山田高)が蹴り込んだボール。最後はPA内正面のMF柴戸海(2年=市立船橋高)が叩き込んだ。明治大が1-0と先制に成功した。

 追いつきたい慶應義塾大だが、焦りはみせない。無理に人数をかけることはせず。セットプレーでチャンスをみせた。前半32分にはPA外右から端山のFK、ゴール前へ飛び込んできた宮地が豪快なボレーを蹴り込むも、クロスバー上へ外れる。その後は互いに熱くなり、レフェリーに止められる一幕も。中盤から激しいボールの奪い合いが続いた。

 前半38分にはFW和泉竜司(4年=市立船橋高)が魅せた。DF高橋諒(4年=国見高)からの浮き球、後方からのボールを鮮やかにトラップ。ぴたりと足下へつけると、PA左へドリブル突破。左足で折り返すも得点にはつながらなかった。

 すると前半終了間際の44分、慶應義塾大がセットプレーから同点に追いついた。端山が蹴り込んだ右CK、望月が渾身のヘディングシュートを叩き込んだ。そのまま前半は終了。1-1で折り返す。

 迎えた後半、2度目のリードを奪いにかかる明治大だがゴールは遠い。後半4分には柴戸のパスに抜け出たFW藤本佳希(4年=済美高)がDF2枚を背負いながらも、GKと1対1へ持ち込む。しかしシュートは枠外へ。同8分にはU-22代表DF室屋成(3年=青森山田高)の右クロスからMF道渕諒平(3年=仙台ユース)がヘディングシュートを打つもGKに止められた。同16分には和泉が右サイドからドリブル突破。折り返しを受けた差波がシュートを打つも、クロスバー上へ大きく飛んでいった。

 耐えていた慶應義塾大だったが、後半18分に一瞬の隙をつくと逆転に成功。右サイドからDF手塚朋克(2年=静岡学園高)がドリブルで持ち込むと、DFがカットしたこぼれに詰めていたMF渡辺夏彦(2年=國學院久我山高)がシュートを決めた。2-1とリードを奪った。

 追いつきたい明治大は4-2-3-1から3-5-2へシステムを変更。前へ枚数をかけて、ゴールを奪いにいった。しかし、ゴールネットは揺らせない。逆に慶應義塾大は、カウンターからチャンスを演出。後半27分には渡辺が右サイドからドリブルで持ち込み、ループ気味のシュートを打つもクロスバーを叩いた。

 明治大は後半27分にMF早坂龍之介(3年=浜松開誠館高)、同32分にはFW木戸皓貴(2年=東福岡高)をピッチへ送る。その後は再び4バックへ戻すなど、策を投じるが流れは変わらない。差波が幾度か前線へのパスを狙うも味方に合わず。終了間際のアディショナルタイムには、遠目の位置でFKを獲得。差波が直接狙うもクロスバー上方へ大きく超えていった。そのまま試合は終了。慶應義塾大が2-1で逃げ切り、勝利を挙げた。

 試合後、明治大の栗田大輔監督は「フィニッシュで決めていればうちのゲームだった。最後の精度を欠いていたが、あそこで決めていれば」と唇を噛みながらも、「全体としては悪くなかった。選手間の距離が遠くなっていたり、バランスが悪い部分があった。修正すれば戻ってくると思う」と前を向いた。

 とはいえ、これで3戦勝ち無しという結果。主将の和泉は「(リーグ戦は)そんなに甘くないぞということ。まだまだ足下をみてやっていかないと。今の結果が自分たちの実力だと思ってやるしかない。逆にメンタル的にも強くなるチャンスだと思うので、負けているときに何ができるのか、プラスに考えていきたい」と険しい表情で語った。

 次節は慶應義塾大は中1日で神奈川大と対戦。明治大は中2日で桐蔭横浜大と戦う。決勝弾を決めた慶大・渡辺は自らのゴールに笑顔をみせるも、「次で負けたら今日の勝利が本当にもったいない。次のゲームへ向けて準備するよう、切り替えたい」と表情を引き締めていた。7日間での3連戦。最後に笑うのはどこのチームか。

(取材・文 片岡涼)

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