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けん引役の覚悟…名古屋MF小川「まだまだ若手に負けられない」

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[5.6 J1第1ステージ第10節 横浜FM 2-0 名古屋 日産]

 生え抜きの背番号10は、完敗に唇を噛んだ。2試合連続完封勝利で順位を6位にまで上げてきた名古屋グランパスだったが、横浜FM戦では前半10分に先制点を献上してしまう。この早過ぎる失点がチームのリズムを崩したとMF小川佳純は振り返った。

「ここ最近、結果を残せていたのは、たとえ相手の時間帯であっても耐えて失点を防ぎ、カウンターなどから、どうにかして1点を奪ってこれたからです。今のウチは守備から入り、少ないチャンスをモノにするスタイルです。だから、簡単に先制を許せば相手にも余裕を与えてしまうし、ウチのプランではなくなってしまいます」

 先制を許すだけでなく、前半アディショナルタイムにはDF田中輝希が2度目の警告を受けて退場し、数的不利に陥った。さらに後半6分に追加点を奪われると、その後は数的優位に立つ横浜FMに主導権を握られ、名古屋はチャンスらしいチャンスを作れないまま、3試合ぶりの黒星を喫することになった。

 10年にリーグ初制覇を成し遂げた名古屋だが、5年の月日が経った現在、チームの顔触れも大きく変わった。当時、中堅選手だった小川も昨年の8月には30歳を迎え、チームにはMF矢田旭やMF松田力、FW小屋松知哉ら20代前半の選手が増えてきた。だからこそ、自分の置かれている立場も変わってきていると話した。

「ちょっと前までは、最終ラインは全員年上で、(藤本)淳吾さんや玉さん(玉田圭司)、ジョシュア(・ケネディ)がいて、僕は先輩たちに引っ張ってもらう立場にいました。トゥーさん(闘莉王)や楢さん(楢崎正剛)はずっとチームを引っ張ってくれていますが、今は自分も一緒に引っ張っていかないといけない」

 もう一度、チームを高みへと導きたい――。そして、チームの可能性を広げるのが、自分の役割だと信じている。「発展途上な分、完成し切っていない選手がウチには多くいます。優勝を経験したメンバーが、より良くなる可能性を秘めた若手を、より良い方向へと導いていきたい」と決意を示すと、「ただ、僕も試合に出場しないと意味がないし、まだまだ若手に負けないようにと思っていますよ」と自らの奮起も誓った。

(取材・文 折戸岳彦)
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