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大学サッカー界を席巻する流経柏高出身者たち、田上・中村・呉屋・湯澤による座談会!!

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 今年7月にユニバーシアード競技大会(韓国・光州)へ参加するユニバーシアード日本代表の20名が11日に発表される。4月20日から22日にかけて行われた最終合宿へ参加していた26名に、明治大FW藤本佳希(明治大4年=済美高)を加えた27名から本登録メンバーとバックアップへ分けられる。

 昨今の大学サッカー界では、流通経済大柏高出身者の活躍が目立っている。昨季の総理大臣杯と全日本大学選手権の二冠を達成した流通経済大だけでなく、今季の国士舘大で主将を務めるDF中村俊貴(4年)や早稲田大FW宮本拓弥(4年)も同校の出身だ。

 現在の全日本大学選抜26名中、DF田上大地、MF中村慶太、DF湯澤聖人(来季・柏レイソル内定)、FW呉屋大翔も流経柏高出身。同級生の4人だが、田上、中村、湯澤は流通経済大へ進むも、呉屋は地元・関西へ戻ると関西学院大へ進学した。現在はそれぞれの場所で奮闘している選手たち。最終学年となり、ユニバーシアード代表のメンバー発表も控えるなか、流通経済大柏高出身者が高校時代を振り返った。

―それぞれ高校時代からキャラクターは変わりましたか?
呉屋:大地が高校から大学になって、一番変わりましたよ。
湯澤:柔らかくなった。だって俺、大地のこと嫌いでしたもん。大地はキャプテンでめっちゃ真面目だったんですよ。俺が高校時代はあまり真面目にやってなかったんで。だから嫌だなみたいな。絡みにくいな、怖いなみたいな。
中村:キャプテンだったからね。
呉屋:だって俺、大地に殴られたことありますもん!
田上:顔じゃないっしょ?
呉屋:いやいや、顔やん!顔を殴られたやん!
湯澤:俺は試合中にガッてやられた(胸ぐらつかまれた)ことあるし。

田上:ちょっと待って、俺がめっちゃ悪い奴みたいになってるじゃん(苦笑)
呉屋:ハーフコートの試合で大地と俺が同じチームで。俺と大地が2トップを組んでやっとって。俺があんま守備をせんかったんですよ。そしたら、大地が『やれよ!』みたいな感じで言ってきて……。でも、俺が『お前ももうちょいやれよ!』みたいなことを言い返したら、ゲームが終わった後に大地がこっち来て、『お前なんだよ!』って言ったから『お前が悪いやん?』みたいに言ったら殴られました(笑)

田上:グー(パンチ)?グー?
呉屋:グー!
田上:嘘つけ、お前!
呉屋:お前、絶対覚えとるやん!覚えとるやろ?
田上:お前、まじで言ってる?本気?
呉屋:うん。

―覚えてないの?
田上:覚えてないっすね(苦笑)
湯澤:まぁ、実際に厳しいキャプテンでしたよ。
田上:でも厳しかったけど、みんな何も俺の言うこと聞いてくれなかったじゃん。
一同:(笑)

―流経柏出身者は個性が強い選手が多いイメージですが?
湯澤:ここにいるメンバーはまだ普通な方ですよ。もっとヤバイのいますよ。
中村:たしかに!
呉屋:癖の強いやつばっかりやん!

―このメンバーは普通なの?
湯澤:まぁ普通ですよ(笑)
呉屋:いや、ここのメンバーもだいぶ癖が強いんですよ。俺は普通です!
湯澤:流経柏は他の大学にいったら、全員が個性が強いといわれる奴ばかりなんだと思います。

―流経柏の3年間で個性は育まれた?
呉屋:監督が一人ひとりの何かを持てという感じなので。
中村:じゃあ監督のせいかな(笑)
湯澤:多分、最初から個性がめちゃくちゃ強い人がいるので、自分が個性強いって気づかないんですよ!
一同:(笑)
湯澤:その個性が高校の3年間で育っていって、大学にいって気づくっていう。あぁ、自分はちょっと普通じゃないわって。
呉屋:それ面白いわぁ。
湯澤:個性がいい方に働くか?どっちもありますね。
呉屋:いや、いい方に働いてるんじゃないの?

―高校時代、この学年で印象的だったのは?
一同:伝説が……(爆笑)でも言えない!
呉屋:監督が伝説が多い代が一番強いみたいに言っていて。俺らは伝説の数では負けてないけど、千葉県予選で負けた(笑)
湯澤:一番有名なのでは電柱に挨拶とか、電柱にタックルとかですね。あと俺は、いきなりサンダルを半分に切られて、『爪先立ちで生活しろ!』と言われて。電車でもずっと……。『お前は準備が悪いから、常に爪先立ちでいるようにしろ!』みたいな感じで言われて。
一同:あったあった(笑)
湯澤:しかも、そのサンダルは俺のじゃなくて。スタッフのなんですよ。それをいきなり『お前にやるから!』って監督がハサミで切って……。夏休みの1か月以上は、ずっとそれで過ごしましたよ。しんどいし、恥ずかしいし。足も臭いんで電車とかで見られるし。そのときは1年生だったので、監督を信じていて、『この人はすごいから』『これで俺は上手くなる』って。
呉屋:ためになったん?
中村:ためにならないでしょ(笑)
田上:なってないでしょ。
湯澤:あの素直さはためになりました。何でもやるしかない時期だったので。ああいうことがあったので、大学生活で何をやれと言われても抵抗なくできるので。ためになったと思います。

―流経柏出身だからこその強みはありますか?
一同:う~ん……。
中村:(大学から)外に出てるから、大翔はわかりやすいんじゃない?
湯澤:大学で練習をやっていると、球際とかは負けないですね。流経柏は練習中とかも平気で相手を削りにいくので。
呉屋:そうそうそう!練習中の!
湯澤:削りにいき方が違うんですよ。
呉屋:俺は関学で1年のときの練習で普通にやったはずが削りすぎて、監督に怒られましたから。
湯澤:流通経済大の場合は、流経柏出身の比率が多いので、他の高校やユースの奴はそっちについてこれないと、逆に上手くいかないというのがあります。あとは対応力が高いと思います!何を言われても、やるしかないという環境だったので。そういう、何でもやってみるというのは。

―理不尽であっても?
中村:理不尽なことへの対応は間違いないです。
田上:間違いない(笑)
呉屋:高校のときは、今、想像してる3倍は大変でしたよ!3倍は!(笑)

―流経柏から流通経済大ではなく、他大へ進学した選手をどう見ているか?
湯澤:大翔とかは刺激になりましたね。
田上:今は関東では、1チームに一人は流経柏出身者がいるので。2、3年生でもそうですし、試合に出ている選手も多いので。
湯澤:あとは流経柏で個性が強すぎるなかで埋もれてた奴がポンって外に出たときに出てくる。
中村・田上:(呉屋を指差し)こういうタイプね。
呉屋:(笑)
湯澤:あとは国士舘大の俊貴(DF中村俊貴主将)とかもですね。あいつは流経柏ではキャラ的には弱くて、強く言えないキャラだったんですよ。それが国士舘大ではキャプテンなので。伸び伸びとやってるんじゃないかなって。
呉屋:俺らは真面目な奴をいじるみたいなとこがあった。
湯澤:真面目な奴が悪いみたいなね(笑) だから俊貴は今、伸び伸びしてるんですよ(笑)
田上:ヤンチャな奴が偉いみたいな感じだったね。
中村:(笑)
呉屋:ヤンチャが正義で真面目は悪って(笑)

―流経柏は高体連。ユース出身をどう見ていますか?
湯澤:上手いとは思う。高校のときは『ぜってー潰す!』みたいのがありましたよ(笑)普通に相手として潰すって。
呉屋:ユース狩り!
一同:出た(笑)
湯澤:自分たちより上だと思わせたくない気持ちが強くて。
田上:そうそう。絶対に負けたくなかった。
湯澤:もう、どんな手を使ってでも勝ちに行きましたよ。ケンカになろうがどうなろうが。

―そういう選手と大学で一緒にやるようになってみて。
湯澤:そこは関係ないです。
呉屋:仲間は上手いです(笑)
湯澤:みんな上手い!
中村:上手いから、いいよね(笑)

―全日本でも流経柏出身のメンバーで引っ張っていければなどは?
田上:そんな話はしたことないです。
中村:特に。普通に元気に出来れば(笑)
呉屋・湯澤:うんうん(笑)

(取材・文 片岡涼)

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