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充実の表情見せる金沢DF作田「地元チームでプレーできる幸せ」

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[5.17 J2第14節 千葉 1-1 金沢 フクアリ]

 ツエーゲン金沢の最終ラインに君臨するDF作田裕次。チームがJ3に在籍していた昨季から加入する男には、チームに対する強い思いがあった――。

 10戦無敗で迎えた千葉との上位対決。金沢は後半15分に先制を許してしまうが、チームに焦りはなかった。「最近は先制されても追い付く力が試合ごとについてきている雰囲気があるので、1点を取られても慌てなくなりましたし、どこかでチャンスが来ると信じて皆がやれています」(作田)。その言葉どおり、後半アディショナルタイムにFW辻正男が同点ゴールを叩き込んで、チームは勝ち点1を上積みした。

「先制されるのは良くありませんけどね」と先制されたことを反省点に挙げながらも、チームが好調な要因を「チーム全体で戦えているのが一番です」と胸を張って答えた。「チームのためにという気持ちがなくなれば、個人の戦いになってしまいますし、そうなるととても難しい試合ばかりになると思います。全員で一つの集団になって戦えているのが、一番の要因です」。11戦無敗と好調を維持するチームは、磐田、千葉に次ぐ3位をキープしている。

 10年に筑波大から水戸に加入した作田は、11年に大分、13年に山形に移籍し、昨季から金沢へと戦いの場を移した。当時J3に所属していた金沢に移籍することでカテゴリーを下げることになったが、そこに迷いはなかった。

「金沢に移籍すればカテゴリーは下がることになりましたが、僕は石川県出身だったので特別な思いがあったんです。僕が小さい頃は石川にプロチームはありませんでしたからね。だから、地元のチームをJ2に上げられれば盛り上がると思ったし、そういうチームでプレーできることは幸せだと思ったので移籍を決断しました」

 昨季33試合に出場してJ3優勝へと導いた作田は、再びJ2の舞台へと戻ってきた。「ウチは環境を含めてまだまだ足りないことばかりです」と金沢は発展途上のチームだとしながらも、「ただ、結果を残し続けなければ何も変わらないと思うので、チームの可能性を示すためにも上に食らいついて行きたい。今はすごく、やりがいを持ってやれています」と地元のために戦う男は充実の表情を見せた。

(取材・文 折戸岳彦)
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