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[総体]「今年は自分たちがチャレンジャー」全国復帰ヘ、注目の四日市中央工が三重2次L3連勝!

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[5.17 三重県総体2次リーグ3節 四日市中央工高 4-0 四日市四郷高 四日市中央工高G]

 平成27年度全国高校総体「2015 君が創る 近畿総体」サッカー競技(兵庫)三重県予選2次リーグの3節が17日に行われ、13年度全国高校サッカー選手権4強の四日市中央工高が四日市四郷高を4-0で破った。この結果、3連勝を飾った四中工がグループA首位として、29日から8チームによって行われる決勝トーナメントへ進出することが決まった。

「常に勝たなければというプレッシャーから動きが硬くなったり、相手にチャレンジャーとして挑まれるので、全国よりも県の方が難しい」。結果こそ大勝で終わったが、試合前に樋口士郎監督が口にしていた通り、一筋縄ではいかない試合展開となった。

「『毎年、2次リーグの突破が決まった3試合目は緩い試合になっている』と監督から言われていたので、立ち上がりから頑張ろうと意識していた」(FW伊藤圭都)という意気込み通り、1分には右サイドを上がったDF三輪輝がゴール前にクロスを展開。相手GKが弾いたボールをU-18日本代表FW小林颯がボレーで狙うなど、四中工が序盤から攻撃のギアを全開にして試合を進めた。6分には右CKをFW伊藤が頭で合わせて先制したが、以降は「ボールを持った時の判断が悪く、一人ひとりのパスのテンポが遅かった」(小林)と主導権を握りながらもブロックを固めた四日市四郷の守りを崩せない。

 25分には伊藤が中央をドリブルで仕掛けて、PA右にスルーパス。小林がフリーで飛び出し、ゴール前のMF上田航大にパスを入れたが、相手DFに阻まれてしまう。2点目が奪えないもどかしい時間が続いたが、29分には左サイドを上がったDF首藤凛兵がPAにパスを入れると、伊藤が反応。一度はクリアされたが、上田が高い位置で奪い返すと、左サイドの角度がない位置からゴール右隅にシュートを突き刺し、試合を再び動かした。

 後半も主将のU-18日本代表MF森島司を中心としたボール回しからサイドを突破し、チャンスを作ったが四日市四郷も司令塔のMF金澤昇成らが意地を見せて、反撃を開始する。後半14分には中央のMF伊藤夢現から、左サイドのMF西岡クリスチャンにボールが渡ると、スピードを活かして縦を突破。ゴール前にパスを入れたが、FW野口有理人には合わず。25分にはGKのキックミスが、目の前にいた西岡の下に渡ると、冷静にかわして無人のゴールを狙ったが懸命に戻った四中工DF舘幸希にクリアされてしまう。

 苦しい時間が続いた四中工だったが、28分に前がかりになった相手のスペースを突いて攻撃に転じ、MF寺尾憲祐が左サイドからゴール前にクロスを投入。FW原田大輝が頭で合わせて粘る四日市四郷を突き放すと、32分にもMF木下史也が決めて勝負あり。「良い時と悪い時の波があるのが今のチームの課題。苦しい試合も多くなるので、経験できたことは良かった。失点していたらもっと苦しい展開になっていたと思うので、ゼロに抑えられたことも良かった」と伊藤が語るように良い部分と悪い部分の双方が出た試合となったが、きっちりと四日市勢対決を制し、決勝トーナメント進出を果たした。

 昨年は総体、選手権ともに県の決勝で敗れ全国には届かず。小林は「昨年はやりたいことがまったくやれずに、チャレンジャー精神でぶつかってくる相手の勢いに飲まれてしまった」と振り返る。今年にかける思いは強く、「今年は自分たちがチャレンジャー意識を出して挑んでいく。やるべきことが出来れば、必ず勝てる」と続ける。目標である日本一に向けて、気の緩みはない。万全の状態で県の残り3試合に挑む。

(取材・文 森田将義)
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