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[総体]福岡決勝は終了間際の一撃で決着!昨夏日本一の東福岡が目標の全国へ!

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[5.31 全国高校総体福岡県予選決勝 東福岡高 1-0 筑陽学園高 小郡陸]

 平成27年度全国高校総体「2015 君が創る 近畿総体」サッカー競技(8月、兵庫)の福岡県予選は31日、決勝を行い、昨夏の全国王者である東福岡高が後半アディショナルタイムにMF鍬先祐弥(2年)が決めた決勝点によって筑陽学園高に1-0で勝利。4年連続13回目の全国総体出場を決めた。

 東福岡は前日に行われた準決勝で強豪・東海大五高相手に衝撃的な8-1大勝。U-18日本代表候補GK脇野敦至(3年)のビッグセーブもあったというが、「攻撃の後とか、切り替えの部分で勝っていたし、パス出した後の走り、動き出しも豊富だった」とMF中村健人主将(3年)が振り返ったように、素晴らしい内容で名門対決を制した。だが決勝はやはり、甘くない。筑陽学園はゴール前でしっかりとブロックを構築して東福岡にスペースを与えず。相手のシュートがやや威力と精度を欠いていた部分もあったが、筑陽学園はGK木下歓彦(3年)が好セーブを連発すれば、1対1で強さを発揮した右SB松本岬(3年)やCB青松秀悟主将(3年)の好守もあって0-0で試合を進めていった。

 東福岡は2分に右MF三宅海斗(3年)がカットインから左足シュート。13分には右SB林雄都(3年)の強烈な右足ミドルがゴールを襲う。そして20分には連続攻撃から最後は右クロスをコントロールしたMF藤川虎太朗(2年)が右足シュートを放ち、直後にはFW毎熊晟矢(3年)がドリブル突破から出したラストパスをMF橋本和征(3年)が決定的な形で合わせた。シャドーに位置する中村と藤川、そして1ボランチを務める鍬先のトライアングルを経由させながら、時に一発のサイドチェンジを交えて左右へボールを動かす東福岡は、林や左SB小田逸稀(3年)が高い位置取りをして攻撃に絡むなど相手への圧力を強める。だが、最終局面を個でこじ開けた昨年とは違い、ここで仕掛け切る回数が少ない。今年、対戦相手に守りに入られた経験の少ないチームは苦しんでしまう。

 対して筑陽学園はボールを奪ってからの速攻にキレ。特に左サイドを縦に仕掛けるMF大原一浩(3年)のスピードに乗ったドリブル、クロスや相手の背後を狙うFW過能大貴(2年)の左足シュートなど攻め切って攻撃を終える。互いにシュートチャンスをつくった前半終了間際には東福岡が中村のスルーパスから三宅が左足シュートを放てば、筑陽学園も左サイドの大原からのラストパスに走り込んだMF得居草太(2年)が右足シュート。32分には松本の右ロングスローに走り込んだMF後藤拓翔(3年)が左足ボレーで合わせる。だが筑陽学園の青松やCB堤秋太(3年)、東福岡の児玉慎太郎(3年)と福地聡太(3年)の両CBらが相手のシュートに対して体を投げ出すDFが1人、また2人がかりでブロック。簡単にはゴールが生まれないことを予感させた。

 “赤い彗星”東福岡に食い下がる「青」。筑陽学園はセットプレーで得居や左SB辻本貴都(2年)が可能性あるボールをPAへ蹴り込んでいたほか、背後のスペースを突いてPAまでボールを運んだ。だが、森重潤也監督が「今年、守備のしぶとさは何となくある」という東福岡守備陣は堅く、名手・脇野を攻略することができない。後半は互いに自陣での不用意なミスが出てバタバタするシーンも見られる中、東福岡がテンポよく攻める回数が増えていった。相手の背後を突いた毎熊が迎えたチャンスはGK木下の好守に阻まれたものの、10分には左CKから福地が決定的なヘッド。13分には大型FW餅山大輝(3年)を投入してさらに攻めに力を注ぐ。「(筑陽学園は)ずっとボールウォッチャーで固まっていたので、揺さぶって、揺さぶって、繰り返してサイド攻撃を意識した」と中村が振り返ったように、しつこくサイドから攻め続ける東福岡は26分に藤川とのワンツーから中村が左足でフィニッシュ。31分には中村の右足FKが壁を越えてゴール左上隅を捉えるが、これもGK木下がはじき出して筑陽学園スタンドはこの日最大級の盛り上がりを見せた。

 後半残り10分を迎え、筑陽学園は九州新人大会で3戦連発のMF清水那粋を投入したが、東福岡に傾いた流れは変わらない。そして後半アディショナルタイム、熱戦に決着をつけるゴールが生まれた。38分、東福岡は交代出場のFW福田湧矢(1年)が右サイドからクロス。このこぼれ球を拾った鍬先が中央へ切れ込みながら左足を振りぬく。なりふり構わず放った左足シュートがニアサイドを破り、ゴールネットへ。東福岡はフィールドの全選手が殊勲の2年生MFの下へ駆けつけてゴールを喜んだ。そして直後のプレーを最後に試合終了の笛。昨夏の全国王者が最大の目標としていた県突破を果たした。

 今年の東福岡は全国総体の6試合で26ゴールをたたき出した昨年のような高い評価を得ているチームではない。新チームは苦しいスタートを強いられ、プレミアリーグWEST開幕戦では6失点で敗戦。それでも森重監督が「去年以上に神経使って、いろいろな部分で要求しているし、(選手もスタッフも)いろいろと妥協せずに練習に取り組んでいる」というチームは反復練習をこだわってやり続けてきた。そして耐える展開も多かったものの、プレミアリーグでは優勝候補のG大阪ユースを撃破するなど第2節以降の5試合を4勝1分という好成績を残している。中村は「1試合ごとに成長するということが、プレミアを経験してできてきていると思う」。昨年と比較されるのは承知しているが、現状、昨年のような個の力はない。だが、昨年のようなチームになるつもりもない。中村は「みんな負けられないという気持ちもあるだろうし、見返してやるという気持ちがあるから練習に耐えられる」。伝統の東福岡のサッカーを守りつつ、今年は今年のメンバーで今後より成長して強い東福岡を築き上げる。

 全国大会の目標について昨年の優勝GKである脇野は「自分たちの代は弱い、弱いと言われてきた。去年全国制覇していて、連覇は自分たちしか挑戦できないので、全国制覇しにいきたい」と全国連覇を掲げ、2年生の鍬先も「2連覇達成したい」と言い切った。そして中村も目標を「2連覇です」と宣言。こだわってきた県制覇を果たした“赤い彗星”の目標はこの日、全国連覇へと切り替わった。

(取材・文 吉田太郎)
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