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[MOM1386]東福岡MF鍬先祐弥(2年)_経験積んで必要不可欠な存在へ、2年生MFが劇的V弾

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.31 全国高校総体福岡県予選決勝 東福岡高 1-0 筑陽学園高 小郡陸]

 0-0で迎えた後半アディショナルタイム、昨夏の全国王者である東福岡高の1ボランチを務めるMF鍬先祐弥(2年)は攻め残ってPA手前でチャンスを伺っていた。心の中に「自分が決めてやる」という思いを抱きながら。そして右クロスのこぼれ球を右中間で拾った鍬先は「結構回りから要求の声が聞こえたんですけど。とりあえず打って行こう」と中央へ持ち込んで左足を振りぬく。決して狙ったコースではなかったというニアサイドを突いたボールは好セーブを連発していた筑陽学園GK木下歓彦の指先を抜けてゴールへ吸い込まれた。

 相手にスペースを消されて攻めあぐねた前半。それでも後半はボールを動かして揺さぶり、崩す、自分たちの攻撃ができているという手ごたえがあった。そして土壇場で決めた劇的なゴール。ゴールの瞬間、そして試合終了後も先輩や同級生たちから祝福、抱擁を受けていたMFは「最後に結果的に自分が決めることができて良かったです。なかなか点決めないポジションなので決勝で決勝点決められたことは嬉しかったです」と笑顔を見せた。

 チームの心臓と言える1ボランチのポジションを下級生で担う。早い段階から失敗も経験しながらテストされ続けた鍬先は森重潤也監督も「去年の(1ボランチ、近藤)大貴(現国士舘大)ほどではないけれど、今必要な選手になっている」と目を細める。本人のこだわりは攻撃時にチームのかじ取り役としてサイドへ展開しつつ、守備時は相手の攻撃の芽を摘んで、リズムをつくらせないこと。この日は後半に不用意なクリアをして先輩GK脇野敦至に一喝されるようなシーンもあった。ヒーローは浮かれず、「たまに気の抜けたプレーがある。まだ課題はたくさんあるけれど、質を高めて状況判断していきたい。まだまだ大貴さんには届かないのでしっかり練習していきたい」と改善するために努力していくことを誓った。

 全国総体での目標は2連覇。自分自身もポジションを守ってよりチームに貢献して連覇することを目指す。「同じアンカーのマスチェラーノ選手の潰しとか、浦和の阿部選手の後ろからシュートを打って行くところは凄くいいと思う。もっと質を高めて、(一流の選手のプレーを)マネしていきたい」。周囲の期待を決して下回ることなく、この決勝ゴールを今後の飛躍への弾みにする。

(取材・文 吉田太郎)
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