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[総体]市立浦和との強豪対決で5発!浦和東が2年連続全国へあと1勝!:埼玉

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[6.14 全国高校総体埼玉県予選準々決勝 市立浦和高 1-5 浦和東高 昌平高G]

 平成27年度全国高校総体「2015 君が創る 近畿総体」サッカー競技埼玉県予選準々決勝が14日に行われ、2年連続9回目の全国総体出場を目指す浦和東高と5年ぶり11回目の全国総体出場を狙う市立浦和高との強豪対決は浦和東が5-1で快勝した。浦和東は20日の準決勝で西武台高と対戦。勝てば全国総体出場が決まる。

 強豪対決は戦前の予想に反して大差がついた。「(快勝は)予想していなかったです。出来すぎなくらい点を取れて」という浦和東の鈴木豊監督が「生徒たちが良く動いてくれました。連戦で、昨日もタフな試合をやっている。そういう意味でも良くやってくれた」と目を細める内容。5月の県1部リーグでは2分3敗と結果の出ていなかった浦和東だが、苦しい時期もブレずに積み上げてきたことが表現できるようになってきている。

 今年の浦和東は全体的に小粒だ。だが、指揮官が「サッカーを変えていくっていうか、いろいろなことに柔軟にやっていかないといけないなということでスタートしている」というチームはFW境田悠史(3年)とFW菅貴彰(3年)の2トップ、右MF中荒井利公(3年)、左MF松本巧(3年)のSHたちが引いて入って、開いて絞って、と連動しながら多彩な攻撃を展開。注目レフティー、MF望月海渡(3年)の存在もあって得意の地上戦に加えて、ロングボールを交えて相手の背後を取る攻撃も武器と言えるものになっている。相手の守りを見ながら判断よく攻める攻撃。5月は最後の1本が通らずに結果が出なかったが「勝てなかった中でブレずに取り組んできた」(鈴木監督)という成果が今大会の4戦13発という結果につながっている。

 その浦和東は前半11分、菅がドリブルで運んでから中央のMF近藤拓海(3年)が左前方へスルーパス。これを松本が左足で蹴り込んで先制点を奪う。その後もバイタルエリアでの連動した仕掛けで何度もチャンスを作り出す浦和東は20分にも左CKをファーサイドで折り返し、松本がクロスバー直撃のシュート。31分には中荒井の突破から境田が決定機を迎えた。

 GK斎藤滉(3年)の立て続けの好守などでピンチを凌いだ市立浦和も反撃。キープ力の高い10番MF家根谷優斗(3年)を軸に右FW瓜生遼馬主将(3年)、左FW谷古宇瑞樹(3年)の突破力を活かしたサイド攻撃でゴールへ迫る。また、したたかに相手の隙を狙うFW茂木奎太(3年)の存在も浦和東守備陣を悩ませた。15分には茂木がドリブルから左足シュート。26分にはMF日高達也(3年)の左FKをCB松岡健雄(3年)が頭で叩きつけるが、1バウンドしたボールはクロスバーの上方へ外れた。

 チャンスの数で上回る浦和東は、38分に左サイドから強引なドリブルで中央までボールを運んだ菅が右足シュートを決めて2-0。さらに後半開始直後には左サイドからの大きな展開を1タッチで逆サイドへ振って境田が左足シュート。クロスバーを叩いたボールを中荒井が右足でゴールへ押し込み、3点差とする。後半開始からFW中尾拓夢(2年)とMF吉元颯哉(3年)を同時投入した市立浦和も攻め返し、相手バックパスをカットした茂木が独走するシーンもあったが、最後のところで気迫あふれる守りを見せていたCB高橋隼人主将(3年)や「落ち着いて動かせるし、人にも強い」(鈴木監督)という本来ボランチのCB岡田慎(3年)に阻まれて追撃することができない。

 浦和東は境田、菅の2トップが後半もチームをけん引。守備面での奮闘に加えて、局面を個人で、2トップの連係で何度も打開してチャンスを作り出した。そして28分には菅との連係で右サイドを突破した境田がPAまで持ち込んでシュート。このこぼれ球を交代出場のFW篠崎翔吾(2年)が左足で押し込んで4点目を挙げた。PKを斎藤がストップするなど諦めない市立浦和も36分に相手のミスパスに茂木が突っかけると、飛び出したGKがクリアしたボールを瓜生が左足ダイレクトで決めて1点を返す。だが浦和東は42分にも篠崎のシュートのこぼれ球を境田が左足で決めて快勝を収めた。

 昨年は個性あるアタッカー陣が繰り出す攻撃サッカーで県内大会、関東、全国大会で印象的な戦いを見せた浦和東。今年は新人戦で準優勝しているが、この日の強豪対決での快勝によって改めて高い実力があることを証明した。高橋は「トーナメント戦ということで一発勝負。攻撃も、守備も全てにおいてみんなが責任感の重みを持ってくれているというか、プレーが軽くなくて、だんだん声も出てきたし、良くなってきたと思います」と上向きにあるチームについて説明する。

 全国大会出場を懸けた準決勝の対戦相手は今年県内2冠の西武台。新人戦決勝、県1部リーグではいずれも先制しながら逆転負けを喫している強敵だ。だが、県1部リーグでの戦いでは逆転されたあとに得点を奪い返すなど相手に嫌な印象も抱かせている。その相手との決戦へ向けて高橋は「チャレンジャーなんで、今までやってきたことに自信を持ってぶつかるだけなので、自分たちのやってきたことに自信を持ってやりたいと思います」と宣言。また、境田は「今まで積み上げたものをしっかり示せればいい。今、チームは一つになっている。このままやっていければいいと思います」。積み重ねてきた成果を発揮できている今大会。自信を持って戦い、西武台の壁を突破する。

[写真]後半4分、浦和東は中荒井が3点目のゴール

(取材・文 吉田太郎)
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