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[MOM1410]大宮ユースFW藤沼拓夢(3年)_「どんな形でも点取れる選手」目指す快足FWが貴重な一撃

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.5 高円宮杯プレミアリーグEAST第8節 流通経済大柏高 0-3 大宮ユース 流通経済大柏高G]

 大宮アルディージャユースは快足FW藤沼拓夢(3年)が自らに課したというゴールのノルマを果たした。1-0の後半24分、MF黒川淳史の縦パスで右中間を抜け出した藤沼は一瞬、対峙したDFに対して仕掛ける構えを見せたが、次の瞬間に右足を一閃。「相手DFと1対1で抜こうかと思ったんですけど、その時の自分の体力もキツクて。ちょっと顔上げたら一瞬ニア上見えて、『これ、打ったら行けるかな』と思って思い切り振りぬいた」とニアサイド上方へ強烈な一撃を叩き込んだ。

 リードして主導権を握っていた大宮だったが、相手のパワーある攻撃と球際激しい守りに苦しんだ。藤沼も前半、鋭い飛び出しでGKをかわしたシーンがあったが、得点を決めることができていなかった。それでも「前半は(濡れた)ピッチに苦しんだんですけれど、後半は落ち着いて行けた」というように、後半は自慢のスピードと跳躍力、そして高い評価を得ているドリブルで存在感を高めると、見事な一撃でチームを勝利へと近づけた。伊藤彰監督がマン・オブ・ザ・マッチに指名したFWは「気持ちの勝負でみんなDF陣が頑張ってくれて。自分も頑張って前線でキープしようと思った。全員気持ちが折れなかったことが3-0という結果になったと思います」とチームメートたちに感謝していた。

 藤沼は今年、トップチームに2種登録され、キャンプや練習試合にも参加している。持ち味のドリブル、身体能力の高さを活かしたプレーは通用した部分もあったが、課題として感じることも多かった。「守備が凄い。トップの人たちは寄せが速くて、自分たちが守っているときに自分だけ1テンポ遅れてしまったり、そういう守備の課題が見つかった。上げて行かなきゃなと思います」と語る。2種登録されたことを過度に意識はしていないが、「自分でやらなければいけないという責任感はあります」と自覚は高まっている。

 目指しているスタイルは突破も、スコアも、アシストもできる選手だ。特に意識しているのはゴールへの意欲の部分。「自分としてはドリブルもできて、なおかつストライカーのような泥臭さ、強さとかも見せていきたい。だからどんな形でも点取れる選手になっていきたいと思っています。(ドリブルよりも)気持ちの方が見てほしいですね」。理想像について「アシストもできて、ドリブルでも点取れて、ヘディングでも点取れてという武藤選手やスアレス選手なんかそういう選手になっていきたいですね」と語るFW。「チームのために点取る」ということを続けてゴールを量産する。

[写真]後半24分、大宮ユースは藤沼が右足で2点目のゴール

(取材・文 吉田太郎)
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